自由行動
その後、部屋の中の騒ぎが収まった事を確認した青年は、申し訳なさそうにラオト達を部屋の中へと入れたのだった。部屋の中には騒ぎの元凶となっていたわんぱくな女の子とキリッとした女性、そして懐かしい黒髪をした青年が待っていた。
「いやー、申し訳ないね、この二人が君達のもてなし方で揉めちゃって」
「すみません、ペディが私の案に賛同してくれないもので」
「あんなのに賛同する訳ないだろ!絶対パレードの方が盛り上がるってのに!」
「は、はは、、、まぁ、おもてなしは間に合わなかったけど、君達に会えて良かったよ、十災魔神を二人も倒した勇者さん達」
「そ、それほどでも」
「さて、君達が来る事は事前に町のみんなに知らせてあるから、これを持って町を楽しんできてね」
そう言うと、町長は物を持てないスティアとアレス以外の三人に、グラフィキィリのマークが入ったカードを手渡した。
「それがあればどの店でも自由に満喫できるよ。ただ、、、常識の範囲内でお願いね?それと、カードを持てない君達二人は、カードを持ってる誰かと一緒に行動してね」
「やったぁ!それじゃあ行くよ!ホルス!」
「俺?ちょ、おい!」
スティアは魔法で浮かせたホルスを引っ張って、廊下を爆走していった。
「全く、マナーというものがまるでなってないな、あの堕天使は。では、我々も行くぞ」
「あっ、ちょっと待って、ラオト君は僕から話したい事があるんだ」
「そうか、では我の相方はウィンディだな。ウィンディよ、早速行きたい所があるのだが」
「良いよ、じゃあ行こっか」
そして、ウィンディとアレスがマナー良く部屋を退出した事により、部屋にはグラフィキィリ関係の四人とラオト、そしてタルロスだけが残ったのだった。
「えーっと、君が魔王軍と戦ったっていう魔法使いだね。相手は精鋭だったみたいだけど、良く無事でいたね」
「、、、力には自信があるからな」
「結構凄い魔法使いのようだけど、君のような特徴を持つ有名な魔法使いを調べても情報が一切出てこないんだよね。ちなみに、君はこの町に何をしに来たの?」
「、、、私は魔法使いの武器を研究する為、様々な町を回っている、この街もその一環だ」
「ふーん、、、悪いけど、君が町を回る際に監視を付けても良いかい?君がラオト君達を守ってくれたのは分かってるんだけど、流石に身分が分からない人を自由行動にするのはねぇ」
「、、、分かった」
「それじゃあ兵士を呼ぶから、彼と一緒に町を回ってね」
その後、タルロスはグラフィキィリの兵士と共に部屋を後にした。
「さてと、それじゃあ三人も戻って良いよ。会議はまた後でしよう」
そう言われたグラフィキィリの三人は、礼儀よくお辞儀をしながら部屋を出たのだった。そして、人が居なくなり、静まり返った部屋の中には、ラオトと町長だけが残っていた。
フミフサ
好きなもの、科学の世界の話 創作 発明
嫌いなもの、大きな音 赤字と書かれた書類
職業、町長
使用属性、雷
グラフィキィリの八代目町長、そして文房具店グラフの8代目店長。文房具店を営んでいた初代が魔法の世界へと飛ばされ、それ以来魔法の世界で生活を続ける科学の世界の血筋を持つ一族の現当主。
町長の中でも親しみやすい事で有名であり、その気さくさと巧みな話術でグラフィキィリのファンを次々に獲得している。
初代の故郷である科学の世界に興味を持っており、初代の文献や他の町の異世界伝説に関する文献を読み漁っているという。また初代同様、新たなデザインや設計を創り出すのも好きで、フミフサの描き残した設計図は現時点で数百枚を超えるという。




