文房具の町 グラフィキィリ
グラフィキィリへと入ったラオト達は、その特徴的な町の雰囲気を目の当たりにした。
「相変わらず変わったデザインの町だな」
「そうだね」
他の五人が物珍しそうに町を眺める中、ラオトだけはその光景に驚きを隠せなかった。遠くから見た時に薄々気づいてはいたが、汚れのない白い壁に薄いカバーのような物がつけられた家、先端が黒く尖っている木の棒が何本にも連なってできた柵、そして道の真ん中に刺さった切れ味の良さそうな街灯、これらを見て、ラオトはこの町のコンセプトに気が付いたのだった。
「、、、文房具?」
そう、まるで消しゴムのような見た目の建物達、柵のような役割の鉛筆、持ち手に光が宿っているハサミなど、この町にある建造物は、全て向こうの世界の文房具となっていた。
「凄い、、、俺達が一度は考えそうな夢の町じゃないか!」
「おぉ、ラオト大はしゃぎじゃないか!気に入ったか?」
「あぁ!凄い気に入った!早く見て回ろう!」
「待って、先に町長に挨拶してからにしよう」
「そうそう!町長から特別扱いの印を貰わないと!」
「町長が居るのは、あの真ん中の建物だろうな。皆、早く行くぞ」
「、、、」
ラオト達がウキウキで町を進んで行く中、タルロスは町の光景に目もくれず、静かにラオト達に付いて行った。
そして、糊のような塔や黒板消しのような建物を眺めながら町を進んで行ったラオト達は、町の中央に存在する巨大で威圧感を放つテープ台のような建物へとやって来たのだった。
「(セロハンテープと台がモチーフか、、、というか、こんな文房具の町を取り仕切る町長って)」
そんな事を考えていると、テープ台型の建物の中から、文房具の町に似合った渋くも手軽な服装の青年が出て来たのだった。
「あっ、君達だね?パドラさんお墨付きの人達って」
「あぁ、そうだ」
「そっか、じゃあ行くよー、ついて来て」
グイグイと進んで行く青年に遅れを取らぬよう、ラオト達も足早に建物の中を進んで行った。そして、しばらく建物の中を進んだ後、その青年はとある部屋の前で止まったのだった。
「町長の部屋に着いたよ、じゃあ開けるね」
その青年が扉を開けたその瞬間、辺りには大きな声が響いたのだった。
「だーかーら!!!私の案の方が良いって!!」
「いーや!私の案の方が素晴らしいに決まっています!」
「ちょ、二人共、、、早く決めないと、もう来ちゃうよ、、、あっ」
部屋の奥でたじたじしている男と目が合ったラオト達は、ゆっくりと部屋の扉を閉めたのだった。




