メオン属性
タルロスが放った光弾は眩い光を放ちながら、あっという間に空へと消えていった。
「、、、確かに光魔法に似てるな。だが、なんていうか、、、色が薄くないか?」
「うん、なんか白っぽかった」
「、、、なるほど、分かったぞ」
アレスはタルロスを見つめながら、あの魔法についての自分の考えを話し始めた。
「あの魔法からは光魔法の気配も闇魔法の気配も、その他の属性の気配も感じなかった。つまり、あの魔法は属性が混入していない、純粋な魔力による魔法なのだな」
「その通りだ」
「、、、えっ?どういう事?」
「つまり、タルロスの使った魔法は闇魔法や光魔法のように魔力を直接使っているのだ。しかし、あの魔法からは闇属性や光属性の気配は感じなかった。それ即ち、あの魔法には属性が含まれていないという事だ!」
「???」
魔法の原理を詳しく知らないラオトはもちろん、他の魔法と生まれ育った筈の三人も、今のアレスの解説は意味が分からなかったようだった。
「、、、魔力を直接使ってるってのはまだ分かるとして、なんで光属性と闇属性の気配がないから属性がないって事になるの?」
「そうだぞ、魔力に属性を付与する事で実体化するんだから、属性の無い実体の魔法なんて無いだろ」
「堕天使よ、ここまでの話を聞いて、何かを思い出さなかったか?」
「えっ?何も?」
「、、、はぁ、今から1000年以上程前だったか、我はとある書物を読んだ事があるのだが、そこには普通の魔法とは大きく異なる、特殊な魔法が載っていたのだ」
「あぁ!古代魔法の本ね!私も読んだ!」
「、、、」
アレスは鋭い眼差しでスティアを睨みつけながら、そのまま話を再開した。
「今では古代魔法と呼ばれているそれらの魔法は、非常に奇怪で常識から外れたものばかりだった。そして、それらの魔法の中に、今見たタルロスの魔法と非常に似ているものがあったのだ」
「それが私の使用した古代魔法、属性を使わずに魔力を具現化させられる、メオン属性の魔法だ」
メオン属性という知らない属性の名前を聞き、ラオト達は驚愕した。その中でも特にウィンディとホルスは反応が大きかった。
「メオン属性、、、初めて聞いた、そんな属性があったなんて」
「というか、古代魔法って実在したのかよ!空想の話かと思ってたんだが」
「あぁ、数千年前には様々な古代魔法の使い手が居たものだよ。今はほとんどの古代魔法が失われてしまったがね」
「へぇ、、、もしかして、タルロスさんってかなり凄い人なの?」
「魔王軍が誕生する前から生きてはいるぞ」
「魔王軍が誕生する前!?嘘でしょ!?」
「マジかよ、、、何千歳なんだよ。それであの身体能力とか、元気すぎだろ」
「私は特異体質でね、他のエルフより体の老化が遅いのだ。人間換算で、今は三十歳くらいだろう」
「凄いね、、、ここから更に数千年生きれるんだ」
「そこまでいったら、やる事が無くなりそうだな」
「、、、そうだな、しかし、私にはやるべき事があってだな、その役目は寿命が無限にないといけないのだ。だから、この寿命でも足りないのだよ」
「へぇ、折角ここまで生きたんだから、タルロスさんにはもっと長生きして欲しいな」
「、、、ありがとう、私も役目を遂行し続ける為、死ぬわけにはいかないね」
メオン属性
数千年前に存在した古代魔法と呼ばれる物の一つ。
他の属性と違い、属性による具現化を使わない、純粋な魔力を使用した属性。見た目や使い方は光属性や闇属性に酷似しているが、天使や悪魔のように死亡せずに使える点、そしてシールドや魔法による防御を全て貫通するという性質を持つ点から、光属性や闇属性の上位互換とも言える。シールドや草魔法や土魔法の壁、魔法による相殺などの攻撃魔法に対して大きな効果を発揮する防御手段も、魔力そのものを使うメオン属性には通用せず、基本的に対処法は避ける事のみとなっている。しかし、メオン属性は光属性や闇属性同様、非常に柔軟性の高い戦い方ができる為、相手にするのは非常に困難。
非常に強力な反面、ちょっとした攻撃にも最上級魔法並みの魔力を使用する為、メオン属性を使って長期戦をするにはエルフや妖精族のように魔力量が多い種族かつ、かなり長い年月生きて超大量の魔力を扱えるようにならないといけない。そんな性質の為、非常に強力な属性にも関わらず、歴史の中で途絶えてしまったのだろう。




