危機一髪
エントモス熱帯林を抜けたラオト達は、宿を転々としながらグラフィキィリを目指していた。そして、その途中に寄ったグラフィキィリ領内のとある村で、ラオト達はトラブルに巻き込まれていた。
「襲撃だ!!!」
その声が響くと同時に、村中がざわつき始めた。そして、飲食店で食事をしていたラオト達の元に、数人の村人がやって来たのだった。
「冒険者様、どうか力を貸していただけないでしょうか、、、」
「もちろんだ!みんな、行くぞ!」
村人に連れられ、ラオト達は村の外へとやって来た。そこでは既に戦いが発生しており、村人達が大勢の盗賊達と戦っていたのだった。
「盗賊?こんな大人数がまとまって来るなんて珍しいね」
「我々のいる村を襲うとは、運の尽きだったな」
ラオト達五人は早速戦闘に参加し、次々に盗賊達を倒していったのだった。
「はぁ、、、アンタ達、もっと数居ないの?こんなんじゃすぐ終わっちゃうよ」
「隙あり!」
「えっ?」
盗賊達を完全に舐めていたスティアは、背後から無音で近づく盗賊に気が付かなかった。そして、その盗賊の拘束魔法により、スティアは手足を動かせなくなってしまった。
「嬢ちゃんよぉ、俺達盗賊を舐めすぎじゃないか?俺達の隠密術は天使にも悟られないんだぜ?」
「ちょちょちょちょちょ!!手足が動かないんですけど!!!」
「当たり前だろ、対天使用の拘束魔法なんだからよ」
「ちょっと!そういうのは卑怯って言うの!もっと正々堂々やりなさいよ!」
「俺達盗賊は卑怯こそ最大の武器なんだぜ、それじゃあ嬢ちゃん、さらばだ」
盗賊は持っていた大きな剣を構えた。その剣の刃から発せられる闇属性の気配から、この攻撃は天使にも通用する事を悟ったスティアは、恐怖のあまり、大きな声で泣き叫んだのだった。
「やめてぇぇぇ!!私まだ死にたくないよぉぉぉ!」
その泣き声でスティアのピンチを知ったラオト達だったが、全員間に合いそうな距離におらず、絶対絶滅の状況となっていた。
「スティア!!!」
ガキーン!!!
剣が振り下ろされた瞬間、スティアの前にはローブを着た仮面の男が立っていた。そして、その男は自身の杖で剣を防ぎ、スティアを守ったのだった。
「何!?」
「えっ」
突然の出来事に困惑する盗賊に対し、男は光り輝く光弾を放った。
「ぐはっ!」
光弾に当たった盗賊は大きく吹き飛ばされ、そのまま気絶してしまった。
「あ、ありがとう?というか、今どこから来た?」
「会話は戦闘の後にしよう、今は目の前の者に集中するんだ」
「わ、分かってるよ!」
そして、その男も加わった村人側は、あっという間に盗賊達を撃退した。その後、村人からお礼があると言われたラオト達は、待ち合わせ場所の広場で待っていると、そこにはあのローブの男も待っていた。
「あっ!あの人!」
ラオト達はその男に近寄ると、すぐにお礼を言ったのだった。
「さっきはスティアを助けてくれてありがとうございます!」
「あぁ、本当に助かったよ!」
「、、、私も、間に合って良かったよ」
ラオト達はその男の重々しい雰囲気をものともせずに、必死にお礼を言ったのだった。
男の仮面
ラオト達が会った男の仮面は他の人物の仮面と違い、目や鼻、口などの隙間が一切ない。そして、その代わりに魔法陣のような奇妙な模様が描かれており、その異質さは、今まで会ってきた人物達の中で一番だろう




