次なる旅路
「皆様の目的は、もちろん十災魔神の討伐でございますね?」
「あぁ、そうだ」
「でしたら、次の目的地は鳥人の国となりますね。鳥人の国の南方にプロクスの城がございますので、鳥人の国をプロクスの城攻略の拠点としましょう」
「鳥人の国、、、そこって、確かホルスの目的地だよね?」
「そうだな、交渉までいよいよか、、、」
「その件につきましても、私の方で皆様がブラキナを討伐したという情報を広めておきますね」
「それは助かる!俺達の証言だけじゃ、イマイチ信用が、、、というか、何でパドラさんは俺の目的を知ってるんだ?」
「フェアリウムの昔からの癖でございます。決して、ガデニダリアの方々が情報漏洩したという訳ではないので、ご安心ください」
「ふむ、そう言われてしまうと、尚更どうやって知ったのか気になってしまうではないか」
「コラコラ!僕達の町の秘密を探るのはダメだよ!」
「そうか、済まないな」
「ププッ!怒られてやんの!」
「ところで、ピメウス殿はこの堕天使の弱点など知らぬか?、、、いや、仕組みも教えられぬような怪しい情報収集手段では、このような小さき事は分からぬか」
「分かるし!その天使の弱点ぐらい分かるし!」
「それでは、弱点を申してみるのだ」
「その天使はねぇ、夜な夜なこっそり、、、」
「ストーップ!!!!」
折角スティアの秘密を聞けそうな雰囲気だったが、その話はスティアに阻止されてしまった。
「、、、話を戻しまして、次の相手はプロクスとなります。屋上へ向かった方々は既に戦ったかと思いますが、手応えはどうでしたでしょうか」
「うーん、、、予想外の遭遇ってのもあるけど、少々押されてたな」
「奴の場合は、我々との相性が悪かっただけの気もするがな」
「その通りでございます。プロクスとの戦いで押されていたのは、一重に戦闘力の差とは言えないと思います」
「えっ、そうなのか?」
「はい、プロクスは魔法耐性が非常に高く、魔法使いが勝つのは困難と言われています、その代わりに物理面の耐久性は低いので、ウィンディ様やホルス様の攻撃であれば、有効的なダメージを残せるかと」
「なるほど、けど、倒したとしても、、、」
「えぇ、プロクスは脅威的な再生能力を備えています。その再生能力をどうにかしない限り、プロクスに対する勝機は見出せないでしょう」
「うーん、魔王軍ですら再生能力の対処法は分からないらしいし、、、ブラキナの言ってた通り、本当に降参するまでボコボコにするしかないかもね」
「そうですね、皆様の戦闘力を見るに、それが一番楽な方法でしょう。ただ、プロクスの厄介な点はそこだけではないのです」
「あの火傷傷だよな」
「はい、あの傷を受けてみて、皆様は何かお気付きになられましたか」
「あぁ、痛いのもそうなんだが、なんだか力が抜けていくんだよな」
「我々の魔力を使われていたな」
「その通りでございます。プロクスの魔法によって生まれた火傷傷は対象者の魔力を吸収しながら巨大化し、時間と共に深刻な影響を与えてくるのです」
「ちょっと、、、厄介すぎじゃないか?」
「はい、また魔道具や魔道具入りの防具などに攻撃が当たってしまうと、中の回路などが壊されてしまい修理が必要、場合によっては一発で修理不可になってしまうのです」
「なるほど、、、キオンとブラキナとは違った強さ、そして厄介さだな」
「そうですね、ただ、単純な戦闘力は低いので、その二つの点に注意すれば、キオンやブラキナよりも簡単に勝てるでしょう」
「分かった、覚えておくよ」
「さて、話が長くなってしまいましたね。それでは次に、鳥人の国へ向かう道のりを確認しましょう」
ラオト達は身を乗り出しながら地図を見て、フェアリウムから鳥人の国までの道のりを確認した。
「フェアリウムから南東へ進むと鳥人の国へと着きます。具体的な道のりはこのようになります」
パドラのなぞる道筋を確認すると、その途中にとある町へと寄っていた。
「グラ、グラ、、、なんて書いてあるんだ?」
「グラフィキィリ、結構変わった町並みの町だよ」
「グラフィキィリに寄ったら、少し遠回りにならないか?」
「皆様にグラフィキィリを観光していただきたいのです。町長様にも連絡して特別待遇での観光となりますので、どうか寄ってはいただけないでしょうか」
パドラの発した特別待遇という言葉にいち早く反応したのはスティアだった。
「特別待遇!?そ、それって、、、」
「皆様が町全体の客として扱われ、店でのお食事も買い物も全て無料となります」
「マジ!?最高じゃん!!スイーツ食べ放題!」
「本当かよ!?そんな贅沢して良いのか!?」
「勿論でございます、皆様は十災魔神を二人も倒した英雄なのですから」
「それもそうだよねー!みんな!パドラ様の誠意に応えるためにも、絶対グラフィキィリに行くからね!」
「そうだね、折角なら行こっか」
「あぁ!久々の贅沢が楽しみだ!」
「うむ、行かない理由は無いな」
皆がグラフィキィリでの豪遊の妄想に入り浸っている中、ラオトの耳元にはパドラが近づいてきたのだった。
「ラオト様、グラフィキィリの町長様と是非お話しください、きっと良いアイデアが思い浮かぶと思いますよ」
「、、、どういう事?」
「それは会ってからのお楽しみでございます」
その後、ラオト達の旅の期間と道のりから必要な物資を割り出したパドラは、自分の手帳に用意する物資の数をメモした。
「さて、これにて旅路の確認は終了となります。それでは皆様、また明日お会いしましょう」
「姉さん行くよ」
サリディ達と遊んでいたロメウスも集合し、三人揃った妖精達はゆっくりと町の方へと飛んで行ったのだった。




