新たな服
ラオト達がフェアリウムを心置きなく堪能した次の日の朝、宿には予定通りパドラがやって来ていた。また、パドラと共に、大きな服を運んで来たピメウスとロメウス姉妹もやって来ていた。
「ラオト様、修理中の服の代わりとなる服を用意いたしました。あの服よりかは性能面で劣りますが、他の町の店で買う防具よりは高性能となっておりますので、服の修理が完了するまでの間はこちらを着用してください」
「良いのか!?ありがとう!」
ピメウスとロメウスから服を受け取ったラオトは、早速その服を着用してみた。
「おぉ、あの服から雰囲気がガラッと変わったね」
「魔法使いにしては珍しい、動きやすい服装だな」
受け取った服は前の服とはかなりデザインが違っており、前回の服が羽織を中心とした知的なデザインに対し、今回の服は肩に掛けられたケープと、太もも辺りから左右に分かれマントのようになっている服が特徴的な、非常に動きやすい服装となっていた。
「ラオト様、着心地はいかがでしょうか」
「いい感じだ!足が凄い動かしやすい!」
「なんか魔法使いってより、剣士っぽい服装だね」
「ウィンディ様ご明察でございます。こちらの服は元々剣士の方の為に作られた物なのです」
「へぇ、剣士用の服を俺が着ても大丈夫なのか?」
「えぇ、元々は剣士様用に作られた服ですが、私達フェアリウムの民が製作した結果、剣士様にはあまり必要のない魔力を増幅させる魔道具ばかり搭載されてしまって、、、魔法使いの防具と大差無い、いや、魔法使いの防具以上に魔法使いと相性の良い防具となってしまったのです」
「なるほどな、、、」
「そういえば、そのような事をヴェルンドの者も言っていたな。魔法使い用の防具を作っても、何故か魔法使いよりも剣士の方が相性が良くなってしまうと」
「そうなのですか、では、今度ヴェルンドと技術交流を行ってみても、、、すみません、話が脱線しましたね。それでは本題に戻りまして、まずはサリディ様御一行の旅路をご確認いたしましょう」
「あぁ、分かった」
サリディ達はロビーの椅子に座り、持っていた地図をパドラと共に見ながら、旅の計画についてを話し合った。そして旅路が決まると、パドラが必要な量の物質などを計算し、それを手帳にメモしたのだった。
「承知しました、目的地到着に必要な物質などはこちらで用意させていただきます」
「本当に良いのか?」
「勿論でございます、サリディ様、ハルティ様、ペトラ様は十災魔神ブラキナ、そして同じく十災魔神のプロクスを相手にしても最後まで勇敢に戦い抜きました。そんな英雄にも等しい強き心の持ち主様の物質を用意するなど、当たり前でございます」
「そ、そう、、、なんか照れるね!」
「あぁ!これで荷物が増えるなら、俺は喜んで待つぜ!」
「ありがとうなペトラ、それとパドラさんも」
「いえ、例には及びませんよ。それでは次はラオト様御一行の番です」
パドラに呼ばれたラオト達は、サリディ達と場所を交換し、机の上に置かれた地図に向き合ったのだった。




