頃合い
宿へと戻ると、そのロビーにはいつものみんなが集まっていた。そして、その中にはパドラの姿も見えたのだった。
「おぉ!この大きさのラオトを見るのは久しぶりだな!」
「ラオト様、お身体が戻られたようで何よりです」
「パドラさん久しぶり!今日はどうしたんだ?」
「いえ、ラオト様の服の大きさが元に戻ったのを見て、ラオト様のお身体も元に戻られたのではないかと、急いで駆けつけた次第です」
「そうだったんだ、心配してくれてありがとうな」
「いえいえ、最近話し会う機会を作れずに申し訳ございません」
「いや、今日会えて良かったよ、丁度話し合いたい事もあったし」
「話し合いたい事?何でしょうか」
「みんなで話し合ってたんだけど、そろそろこの町を出発しよっかなーって」
「出発ですか?」
「あぁ、もうブラキナ討伐は終わったし、この町も結構堪能し終わったしな。そろそろ次の十災魔神討伐へ出発してもいい頃合いだと思うんだ」
「えぇー!まだあのパン屋行ってないのに!」
「ここ数日でいつでも行けたではないか」
「行きたい店が多すぎるんだもん!」
「、、、まぁ、名残惜しくはあるんだが、俺達冒険者は冒険してなんぼだもんな」
「そうだね、もし心残りがあるなら、また来ようよスティア」
「嫌だ!私ここに住む!」
「そうか、パドラ殿よ、申し訳ないが、この堕天使用の家を用意してはくれないだろうか」
「分かりました、それでは用意させて頂きます」
「ちょっと待って!今のは冗談だから!パドラさんも本気にならないで!」
「ははっ、そっちは相変わらず賑やかだな」
「そうだね、お別れするのが悲しすぎるよ」
「おや、サリディ様方はラオト様方とは別行動なのですか?」
「あぁ、俺達はエントモス熱帯林を出たら北に行こうと思うんだ。ラオト達の行く東とは別方向だな」
「新たな旅路が俺達を待っている、って事だ」
「そうですか、皆様、各々の道を歩むのですね」
「そうなるな」
「分かりました、それでは私は皆様の旅が上手く行くよう、物資などを準備致しますね」
「マジか!ありがとう!」
「ちなみにですが、出発の日時の予定などはございますか?」
「特に無いけど、早めにしたいよな」
「では、皆様の旅路の整理を明日行い、明後日出発するというのはどうでしょうか」
「よし、そうするか」
「では、また明日訪問いたしますね。それではごきげんよう」
そうして、パドラは宿から去って行ったのだった。
「いやぁ明後日かぁ、それまでにこの町の心残りを解消しようぜ!」
「良いね!」
こうしてラオト達とサリディ達は、様々な店を1日かけて周り尽くしたのだった。




