巨大化
それから数日間は特に何の出来事も起こらなかった。パドラはトラウムの件で町長内の会議に連日参加していた為、ラオトとの話が中々発展せず、ロメウスに至っても、魔道具作戦の為ラボから出てこなかった。その為、ラオト達は唯一宿へと遊びに来れたピメウスと共に時間を潰す毎日を続けたのだった。そして、パドラの時間が空くよりも、ロメウスの魔道具が完成するよりも先に、念願のあの日がやってきた。
「お、おいラオト!」
ラオトはホルスの弾んだ声で目を覚ますと、自分の身体の異変に気がついた。
「あれ!?身体が元に戻ってる!?」
ピメウスから魔法をかけられてから二週間が経ち、ラオトの身体は元の大きさに戻っていた。
「うーん、、、あれ!?ラオト戻ったんだ!」
ラオトやウィンディの驚きの声が連鎖し、あっという間に全員起きてしまった。
「あれ?着てた服は?」
「どうやら、身体の巨大化についてこれずに裂けてしまったようだな。杖やラオトの荷物が元に戻ってるのを見るに、魔法を掛けられた際に一緒に小さくなった物しか大きくならないようだな」
「えぇ、あの服気に入ってたんだけどな、まぁ、羽の魔道具が潰れなかっただけ、、、待てよ?」
ラオトはとてつもない嫌な予感を感じ取った。
「マズいかも、、、ホルス!コート借りるぞ!」
机に置かれていたコートを羽織ると、ラオトは猛ダッシュで走って行ってしまった。
「ちょっと!どこ行くの!」
ラオトが向かった先、それはロメウスのラボだった。
「ロメウス!大丈夫か!」
身体が元に戻ってしまったラオトは、もうラボの中に入る事はできなかった為、外から必死にロメウスの名前を呼び続けた。そして、しばらくした後、ラボの中からロメウスが出てきたのだった。
「やっぱり!ラオトおにいちゃんもとにもどったんだね!」
「大丈夫かロメウス!俺の渡したアレ、巨大化しなかったか?」
「だいじょうぶ!こうなるってわかってたから、ようきごとおおきなへやにうつしておいたの!」
「そうか、良かった、、、あと、俺の服と杖も巨大化しなかったか?」
「それもだいじょうぶ!どっちもらぼからうつしたし、つえはちいさいうちにしゅうりをおわらせちゃったから!」
「もう終わったのか!?早いな」
「うん!こんど、かんせいしたまどうぐといっしょにわたすね!」
「あぁ、待ってるな」
「うん!まってて!」
ロメウスの無事が分かったラオトは、緩やかな足取りで宿へと帰っていった。




