予言の者
「ラオト様、心の調子はいかがでしょうか」
「あぁ、悪魔に転生するかもっていう希望のおかげで、だいぶ心が楽になったよ。パドラさんの方は大丈夫か?」
「えぇ、私は大丈夫ですよ。大切な方とのお別れは何度も経験していますから」
「そ、そうか、、、なんかごめんな」
「いえいえ、これは長寿な種族では普通の事ですので、何も気にしなくて大丈夫ですよ。それより、トラウム様の死亡によって、本来の行う筈だった装備の説明会が行えなくなってしまいましたね」
「そうだな、それに、肝心の装備もボロボロだし」
「そうですね、、、では、今後とも旅を共にする杖の説明だけ、私が簡単に行いましょうか」
そう言うと、パドラは修理中の杖の代わりに、杖の見た目をした幻を魔法で作り出した。
「この杖は、数百年前にとある予言がきっかけで、あと服と共に作られました、名はガイア、土属性に特化し、魔法を使った、より自由で独創的な戦い方に特化した杖となっています」
「土属性に特化、、、それに予言って、、、えっ?」
「お気づきになられましたか?」
「俺が、何百年も前の予言に出た人物って事?」
「ピンポーン!せいかーい!」
「?????」
ラオトは意味が全く分からなかった。
「、、、えっと、ちなみにどんな予言なんだ?」
「魔法無き世界から現れし旅人、土属性の魔法使いとなりて、二つの世界に発展をもたらさん。みたいな感じだったはず」
「ピメウス様、ちゃんと歴史を勉強し直したのですね、感心しました」
「まぁね、それじゃあお菓子返してね」
「分かりました、部屋へと戻しておきましょう」
「やったぁ!」
「ちょちょちょちょっと待て!魔法無き世界って普通に言ってるけど、二人共、俺が異世界人って知ってたのか!?」
「えぇ、勿論でございます」
「まぁね(異世界人ってなんだっけ)」
「マジか、、、というか、もしかして杖を渡したトラウムさんも」
「えぇ、トラウム様もラオト様が違う世界から来たというのはご存知でしたよ」
「、、、」
あまりに衝撃すぎる情報にラオトは言葉を失い、ただ唖然とする事しか出来なかった。
ガイア
数百年前、フェアリウムへとやって来たトラウムの先祖から予言を知ったピメウスの父が、予言に出てきた異世界からの旅人の為に作り出した、世界の発展と更なる繁栄という願いが込められた杖。
予言内の土属性の魔法使いと魔法無き世界という情報を元に制作された為、異世界人以外は使いこなせないように、従来の杖とは全く違う使い方をしなくてはいけなくなっており、(従来の魔法の使い方に慣れれば慣れる程、扱いづらくなる)そもそも使用者の少ない土属性以外の魔法は使えなくなっている。
作られた時代のはるか先をいく最先端のフェアリウムの技術が使われており、それに加えてトラウムの先祖の強力な古魔法も込められている為、数百年経った今の時代でもガイアを作り出すことはできない。
従来の杖や魔法の撃ち方では決まった形の魔法しか撃てないが、この杖を使うとそのような制限がなくなり、想像しだいでどこまでも自由に魔法の形を変えられるようになる。その為、この特徴を上手く活かせば、できない事はないと言える程に柔軟な魔法の使い方ができるようになる。




