転生への希望
「、、、えっと、二人共どうしたの?」
その声と共に、どこからともなくピメウスが現れた。
「、、、トラウム様が亡くなられたのです」
「、、、へぇ」
普段は能天気なピメウスも、その言葉を聞くと黙り込んでしまった。しかし、ずっと俯き続けるラオトとは違い、ピメウスは直ぐに心を入れ替え、暗い表情を辺りに晒し続けなかった。
「まぁ、死んじゃったのは悲しいけど、そんな落ち込んでばっかじゃダメだよ、そんなんじゃこの先やってけないよ?」
「、、、」
「あんたも、トラウムがいつか死んで、お別れしなきゃいけない時が必ずくるって分かってたでしょ?それが早くきちゃっただけだよ」
「、、、」
「、、、はぁ、じゃあ良い事を教えてあげるよ」
そう言うと、ピメウスはラオトの目の前へと歩み寄り、目を合わせながらゆっくりと話し始めた。
「悪魔って知ってる?人間族が恨みや後悔、未練みたいな強い気持ちを持った状態で死んだら生まれる種族。トラウムはきっと、君の旅の行く末を見守れなくて悔しい思いで死んだんじゃない?」
「、、、もしかして」
「そう、トラウムはいつか、悪魔として転生してくれるかもよ?その時に君達が冒険を成功させてたら、どれだけ喜ぶことか。あんたが今やるべきなのは、そんなみっともない顔で固まってるんじゃなくて、トラウムが悪魔として転生してきた時の為に、冒険を成功させる事なんじゃない?」
「、、、そうか、確かにトラウムさんが悪魔になってくれたら、俺達の思いや冒険の形跡を伝えられるのか」
「そうそう。だから、落ち込んでないで、もっと有意義な事をしないと」
「そうだな、、、ありがとうピメウス、おかげで心が少し楽になったよ」
「それは良かった、こっちとしても、僕達の家に不気味な顔をした人間がずっと突っ立ってたら迷惑だったもんね」
「おい!悲しんでる人を迷惑扱いするなよ!」
「ハハッ!そうそう、あんたはそうでなくちゃ!」
こうして、賑やかになったラオトとピメウスの二人を、パドラは穏やかな目で見つめていた。
「ふふっ、ピメウス様も口上手になりましたね。あなた様のそのカリスマ性、それこそが、あなた様が皆から慕われる町長たる所以なのですよ」
「うん?パドラ何か言った?」
「いえ、何でもございません」




