補填
解体された装備を見ながら、ラオトとパドラの二人は今後についてを話し合っていた。
「うーん、直るまで待つか?ちなみに、直すのを待つとしたら、大体どれくらい掛かるんだ?」
「破損が軽微な杖の方でしたら数日程で直るかと。ただ、破損箇所の多い服に関しては、完全に直すのに数ヶ月程掛かってしまうと思われます」
「数ヶ月!?それはちょっと待てないな」
「そうですね、、、そうなりますと、今後はこの服無しでの旅をしばらく続けていただく事になりますが、それでも大丈夫でしょうか」
「その服が無くなるとどうなるんだ?」
「魔力の貯蔵上限が大幅に低下し、使用できる魔法が制限されます。それにより、今までのような魔法の連発や大規模魔法は使えなくなるでしょう。それと、この服に搭載されている常時発動する回復魔法や、強力な魔法抵抗も無くなります。ちなみにですが、ラオト様は何の装備も着用していない状態でも魔法を放つ事は可能でしょうか」
「あぁ、一応一般人程度にはできる筈だ」
「そうですか、今後しばらくの間はその状態で旅をしていただく事になるかもしれません」
「まぁしょうがないな。けど、この状態で敵と戦うとなると少々心許ない気もするな、今までは魔力の力技でどうにかなってきたけど、今後はそれも出来なくなるし、何か戦闘の決定打が欲しい、、、あっ」
ラオトはふと、カバンの中に入っているあの物の事を思い出した。
「いや、無理か、、、うーん」
「どうされましたか?」
「いや、俺の足りない戦闘力を補う方法を思いついたんだけど、色々問題があってな」
「その方法とは何でしょうか?」
「実は、戦いに使える魔道具の構造を覚えてて、それを作る為の重要な素材もあるんだけど、、、」
「、、、凄く葛藤されていますね」
「、、、いや!まずは自分の命優先だ!それに、そもそも作れないかも知れないし!」
「お決まりになられましたか?」
「あぁ、ロメウスにとある魔道具を作って欲しい」
「わかった!どんなの?」
「、、、」
その魔道具の特徴を聞かれたラオトは、気まずそうにパドラを見つめた。
「どうかされました?」
「実は、、、この魔道具の仕組み、というか存在は超極秘の情報で、知ってる人が少なければ少ない程良いんだ、だから、、、」
「分かりました、それでは私は御退出いたします。お二人でごゆっくりお話し下さい。私は、、、外でお茶会でもしていましょうか」
「ありがとう、パドラさん」
パドラが部屋から立ち去った後、ラオトは頭に思い浮かべる道具の詳細な形と使用用途、そして仕組みをじっくりとロメウスに話したのだった。




