死角無し
「よし、それじゃあまずは小手調べと行こうか。ホルス、正面は頼んだ!」
「任せろ!」
その言葉と共に、ホルスは自慢の大槍をブラキナに向かって勢いよく振り払った。
「ガキーン!!」
ブラキナは二つの剣でホルスの攻撃を受け止めた。ホルスの攻撃はかなりの威力の筈なのだが、ブラキナはまるで山のようにビクともしなかった。
「おぉ、流石に頑丈だな」
「其方も中々の強者ぞ、吾輩の防御にこれほどの威力の攻撃をしておきながら、一切怯まないとは」
「まぁな、それより、一対三なのに俺だけに気を取られていて良いのか?」
ホルスのその言葉と共に、ブラキナの背後に回ったウィンディとサリディの二人が動き出したのだった。
「行くぞ!」
二人はホルスと合わせて三方向からブラキナを狙い、ブラキナがホルスに気を取られている隙をついて、一気に攻撃を仕掛けたのだった。
「くらえ!」
ブラキナの斜め後ろに存在するもう一つの顔達とウィンディ達二人の目があった瞬間、二人攻撃は残りの四つの剣で防がれてしまった。
「ガキーン」
「うわっ!!」
ホルスほどの体重もなく、さらに斬るのに特化した体制になっていた二人は、攻撃を防御された反動で後ろに吹き飛ばされてしまった。
「人数の有利を用いたその作戦や良し、しかし、我に死角は存在しないゆえ、別の作戦を考えるのだ」
「おいおい、アドバイスなんてしてて良いのか?」
「其方らが吾輩の特性を知り、それでいてどのように行動するのかが気になっただけだ」
「随分と余裕じゃないか、その発言、後悔させてやるぜ!」
そう言うと、サリディは模擬戦時に出した量よりも更に多い数の水魔法弾を空に浮かべ、それらでブラキナの四方を包囲した。
「ウィンディ!ホルス!行くぞ!」
「分かった!」
「おう!」
その言葉と共に、サリディは空に浮かぶ水魔法弾をブラキナに向かって発射した。そして、その攻撃に続いてサリディ達三人もブラキナに直接攻撃を仕掛けたのだった。
「そうだ、そう来なくてはな」
ブラキナは六つの剣を構えると、目にも留まらぬ速さで水魔法弾を切り刻んでいき、ついに水魔法弾はただの霧になってしまった。そして、そのままの勢いで、サリディ達の攻撃も簡単に受け止められてしまった。
「えぇ!?嘘だろ!」
攻撃を受け止められたサリディ達は一旦退き、少し離れた位置で体制を整えた。




