六腕鬼 ブラキナ
その後、ウィンディ達はラオト達の作戦実行までブラキナの気を逸らすべく、適当に思いついた話をしようと思ったのだが、それより先にブラキナの方から声をかけてきたのだった。
「、、、うむ?よく見れば、其方らは皆近接武器を持っているようではないか、もしや、吾輩の戦い方に合わせてくれたのか?」
「えっ?ま、まぁ、そんな感じかもね」
「そうかそうか、吾輩も剣術を教える師範である身として、其方らとの戦いには負けられぬな」
「へぇ、噂って本当なのか」
「そうだとも、ちょうど其方らが先程城で戦った者達も、そのほとんどが吾輩の教え子なのだ。残念ながら、其方らには敵わなかったようだがな」
「まぁな、一応俺達だってこの城までやって来れるくらいの実力は持ってるし」
「そうだな、、、」
「、、、?」
ふとブラキナの顔を見たウィンディは、その姿勢が自分に向いている事に気がついた。
「えっと、、、どうしたの?なんか付いてる?」
「、、、其方を見ていると、吾輩の懐かしき思い出が蘇ってきてな」
「、、、えっ、どういう事」
「なんでもない、其方によく似た弟子が居たというだけだ」
「えっ、それって、、、」
「、、、少々長話が過ぎたな、これにて話は終いだ」
そう言うと、ブラキナな重々しく立ち上がり、背中に備えた六つの大剣を六つの腕で豪快に構えた。
「武器を構えよ、勇敢なる挑戦者よ。十災魔神が一角、六腕鬼ブラキナが相手になろうぞ!」
もうこれ以上は時間稼ぎができない状況になってしまい、ウィンディ達三人はとても焦っていた。
「お、おい、屋上組は何してるんだ!」
「分からない、もしかしたら何かあったのかも」
「、、、しょうがない、ここは俺達だけで戦うぞ」
「マジかよ、、、三人で勝てるか?」
「やるしかないね、、、私、ブラキナに勝たなきゃいけない理由が増えちゃったし」
「そうだな、俺もブラキナに勝って、ケンタウロス族独立の為の威信を獲得しなきゃいけないしな」
「、、、そうだな、俺にも倒さなきゃいけない理由ができたんだったな」
覚悟を決めた三人は武器を構え、ブラキナとの決戦に備えた。
「手加減はしない、死ぬ覚悟のある者からかかってこい」
「それじゃあ、、、行くぞ!」
エントモス熱帯林の奥地、ブラキナの城の中で、今まさに近接戦に長けた者たちによる決戦が始まろうとしていた。
六腕鬼 ブラキナ
好きな物、弟子 武器 肉
嫌いな物、ソポス 酸っぱい匂い 乾燥地帯
職業、十災魔神
使用属性、土
非常に大柄な蜘蛛の魔人。驚異的な身体能力と怪力が特徴で、力なら巨人族にも勝り、スピードと持久力ならケンタウロス族にも劣らないという。同じ蜘蛛の十災魔神であるソポスとは真逆の性質をしており、ソポスにはない巨体を誇る代わりに、魔力に関してはドワーフ以下となっている。その為、生活や戦闘で魔法を使う事は一切なく、全て己の身体能力のみでこなしている。
戦闘時には人一人分程の大きさの大剣を各腕に持ち、頭には敵の視覚を欺く二つの顔が彫られた兜を被る。その圧倒的な威圧感は、まるで神とでも思えてしまうほど。
魔王軍の中で近接術の師範を務めており、その弟子達の中には十災魔神にまで登り詰めた者もいるという。




