前哨戦
フェアリウムを出発したラオト達は、地図の記憶を頼りにエントモス熱帯林の中を進んで行った。そして、早速一つ目の目印となる池を発見した。
「これが目印の池か、よし、ちゃんと進めてるな」
「次は左だね、この調子で進んでこ!」
その後もラオト達は目印となる物体を通過しながら森の中を進んで行った。しかし、そこで事前に予想していた出来事が起こったのだった。
「懸かれ!」
その号令と共に、ラオト達目掛けて複数の魔法が放たれた。
「来たか!」
ラオト達は避けたりシールドを使ったりなどして攻撃をやり過ごした。そして辺りをよく見てみると、木の葉の中や木の裏に隠れた魔王軍の姿が見えたのだった。
「貴様らを城へは通さぬぞ!第二波用意!」
「前哨戦だな、みんな行くぞ!」
こうして、エントモス熱帯林では、ブラキナ討伐を目指す者達と、それを阻止しようとする魔王軍の戦いが始まった。やはり有利なのは待ち伏せしていた魔王軍で、木の裏や障害物に隠れながら一方的にラオト達に攻撃を仕掛けた。しかし、ラオト達も攻撃が飛んでくる方向を見極め、辺りに隠れている魔王軍達を次々に倒していった。
「もう不意打ちは効かぬな、、、なら数の優位で攻めるのみ!皆の者!近接戦だ!魔法使いを狙え!」
その号令と共に、隠れていた魔王軍の兵は姿を現し、手に持つ武器でラオト達に襲いかかった。しかし、近接戦闘が得意なブラキナを対策していたラオト達には、もはやその作戦は通用しなかった。
「ふふん!私達の連携を舐めないでね!」
ラオト達は魔王軍に包囲される前にとある陣形を取り始めた。近接戦ができるウィンディ達三人が前に出て魔王軍の攻撃を受け止め、ラオト達四人が後ろから魔法で援護する、ブラキナとの戦いで使う戦術を魔王軍の兵士達に使ったのだった。また、ウィンディ達も体力の消費を抑える為、自分の得意なタイプの兵士を相手したのだった。ウィンディは素早い動きで複数の兵士を相手にし、ホルスは大柄な兵士の重い一撃を受け止め、サリディは水魔法で素早い兵士の機動力を下げて攻撃を対処していくなど、それぞれ自分が得意な戦い方を活かし、体力を温存しながら兵士の攻撃を対処した。そして、兵士達が前衛を突破できないでいるところに後衛が魔法を打ち込むなどして、兵士の数を順調に減らしていった。そして、それからしばらく攻撃を続けていると、遂に兵士達の声が聞こえなくなったのだった。
「よし、全員片付けたな」
「いい戦い方だったね!」
「あぁ、やっぱ相性ってのは戦いにおいて重要だよな、グーがパーに勝てないみたいに」
「そうだな、ブラキナもこの調子でいければ良いが」
「それじゃあ進むか、ペドラ、どっちに進むんだ?」
「あっちだな」
戦いに参加せずに物陰に隠れていたペドラだったが、乱戦によって方角が分からなくなってしまったラオト達の代わりに、向かう先の方角を覚える役割を担っていた。
「よし、じゃあ行くぞ」
こうして、前哨戦を終えたラオト達は、引き続きブラキナの城目掛けて歩みを進めていった。




