最終確認
ブラキナ討伐日の朝がやって来た。ラオト達は各々支度を整え、武器と共に部屋を出た。そして扉を閉める直前、ラオトは自分達の泊まっていた部屋をじっと見つめながら、隣で待っていたウィンディに今の心境を話したのだった。
「、、、なぁ、今更なんだけど、俺達は無事にこの部屋にに帰って来れるよな?」
「当たり前でしょ、どうしたの?急に弱気になって」
「昨日、キオンが降参しなかった夢を見たんだ。キオンが降参せずに攻撃を続けてきて、俺達は抵抗したけど結局、、、」
「、、、」
「結局、俺達は最後の最後までキオンに傷を付けられなかった。あの時はキオンが自ら降参してくれたから良かったけど、その意図も分からないし、、、」
「けど、今回はアレスとスティアの二人もいるし、それにハルティ達もいるからね。前回とは環境が全然違うよ」
「、、、」
「それに、キオンとの戦いで十災魔神がどれほど強いのか分かったんだし、今回は最後まで気を抜かずに行こ、そうすればきっと大丈夫!」
「、、、そうだな、前にも言ったけど、これから魔王とも戦う事になるかもしれないんだから、こんなところで弱音を吐いてちゃダメだよな」
「そうそう!ちなみにだけど、ブラキナとの戦いで真っ先に死ぬのは私達前衛なんだけどね、、、」
「あっ、、、すまない、そうだよな、俺よりもウィンディ達の方が体を張ってるんだよな」
「謝らなくていいよ、剣士ってのはそういうもんだし。その代わりに、ラオトもしっかり私達を援護してね」
「もちろんだ」
「ありがと!さっ!暗くなる話はお終いにして、早くみんなと合流しよ!」
「あぁ」
この部屋に必ず帰ってくる事を誓った後、ラオトはウィンディと共に宿を後にした。そしてパドラとの集合場所へ向かうと、そこには荷物の入ったリュックを背負うペドラと準備万端の仲間達、そして妖精族の3人と町の職員達が待っていた。どうやら出発の準備は既に終わっているらしい。ラオトとウィンディが皆と合流すると、パドラによる出発直前の最終確認が行われた。
「皆様、城へ向かう道のり、そして作戦内容は忘れていませんね」
「あぁ、バッチリだ」
「もし天使様でも回復できないほどの重症にでもなったら、すぐに帰って来てくださいね」
「大丈夫大丈夫、私が回復できない傷は滅多にないから」
「それは心強いですが、痛みの蓄積には気をつけてくださいね」
「もちろん!」
「最後に、皆様方の作戦成功を心よりお祈りしております。必ず無事に帰ってきてくださいね」
「がんばれー!」
「まっ、頑張ってねー」
「ありがとう!それじゃあ行って来る!」
こうして、ラオト達一行は妖精族の三人と職員達に見送られながらフェアリウムを後にした。




