町長からのお願い
訳もわからぬままトラウムの部屋に放り込まれたホルスだったが、ホルスは今の状況を町長と独立についてを話し合える絶好のチャンスと捉え、自ら進んでトラウムの元へと向かったのだった。そして、トラウム自身も、こちらへ堂々と歩み寄ってくるホルスを真剣な眼差しで受け入れたのだった。
「町長の前にも関わらず、そのように堂々とした歩みをできるとは、、、中々良い者を引いたようだな」
「そう言ってもらえるとは嬉しいな。ところで、良い者を引いたってどういう事だ?」
「あぁ、あの荷物はガデニダリアから優秀な者を一人選抜する為の物だったんだ。あの荷物を受け取った者から何か言われなかったかい?」
「そういえば、歴の長い職員に任せたいって言ってたな」
「そうだ、本当なら職員の信頼が厚い者というだけで良かったのだが、まさか君のように優秀な戦い手が来てくれるとは、夢にも思わなかったよ」
「俺を知っているのか?」
「当たり前だよホルス君、君はケンタウロス族の中でも一際優秀だからね。そこでなのだが、優秀な君に一つ、お願いをしたいんだ」
「お願い?」
「あぁ、君にはこれから来る来客者と共に旅をしてほしいんだ」
「旅?」
「その来客者はおそらく戦いに慣れていないだろうから、君にその来客者の旅をサポートしてほしいんだ」
「旅か、、、どんな旅なんだ?」
「どんな旅になるかは分からない、ただ、世界のあちこちを冒険し、戦闘にも巻き込まれて事になるだろう。君の時間を奪ってしまう事にはなるが、どうか君にサポートをお願いしたい」
ホルスはどうするかをじっくりと考えた。というのも、トラウムのこの提案はホルスにとって悪くない話だったからだ。世界を冒険し、魔獣討伐などで功績を得られたら鳥人の国での話し合いが有利になるかもしれないし、何より、この事を借りとして、グリンティアにケンタウロス族の独立を支援してもらえるかもしれなかったからだ。
「、、、分かった、考えておく。ちなみに、その来客者はいつ来るんだ?」
「分からない、あと数年の内には来ると思うのだが、、、」
「数年!?」
「もちろん君を構想するつまりはない。ただ、少しの間この町に留まっていてくれないかい?」
「、、、」
来るかも分からない来客者の為に時間を潰すのは良くないと分かっていたホルスだったが、一応独立の件を話している間だけはグリンティアに留まることにしたのだった。




