いつも通り
獣人の国を後にしたホルスは、フィロスに言われた通り、いつも通りの生活を心掛けていた。
「どうもー、スクアドラよりお届け物です」
ホルスにとってのいつも通り、それはガデニダリアで働く事だった。報酬の量が減らされたとしても、皆からの感謝のおかげでやりがいは感じており、仕事のついでに人脈や功績なども上げられないかと考えながら、荷物と共に様々な街を駆け巡ったのだった。そんなこんなで数週間が経った頃、ホルスはとある町のガデニダリア支部から呼び出しをくらったのだった。
「ホルス、君にしか任せられない仕事があるんだけど、頼まれてくれない?」
「別にいいが、なんだ?」
「この荷物をグリンティアの町長に届けてほしいんだ」
「町長?そんな重要な物を俺が運んで良いのか?」
「もちろん!この荷物、凄い貴重品らしくて、盗賊とか魔獣、魔王軍に襲われたらマズいから、腕っぷしに自信のある職員に任せたいんだって」
「そんな重要な物を俺一人で運んで良いのか?」
「少数精鋭って言うでしょ、大人数で動いてたら逆に怪しいし」
「そうか、まぁ分かった、俺が引き受ける」
「頼んだよ!、、、ちなみに、ホルスは例の件を知ってる?」
「例の件、、、もちろん知ってるぞ」
「それなら良かった、ホルスも皆んなに宣伝してね、君の影響力は凄いんだから」
「あぁ分かった、それじゃあ行ってくるな」
ホルスはガデニダリアのケンタウロス族内にどんどんと仲間が増えていっている事を実感すると同時に、リーダーとして皆の為に動かなくてはならないという責任感も強く感じていた。そろそろ本格的に動かなくてはならないと思いながら、ホルスはグリンティアへと向かって行った。グリンティアに着いたホルスは中央の大木に入って行き、受け付けに荷物を渡した、そして、そのまま立ち去ろうとしたところ、受け付けに呼び止められたのだった。
「ホルスさん!ちょっと良いですか!」
「なんだ?」
「この荷物を運んだ人はトラウムさんに合う事になってるんです。時間はありますよね?」
「あぁ、一応」
「付いて来てください、トラウムさんの部屋に案内します」
ホルスは受け付けの人物と共に階段を登って行き、ついに最上階のトラウムの部屋へと辿り着いたのだった。
「トラウムさん、例の荷物を運んできた者をお連れしました。さぁ、中に入って」
「お、おい」
ホルスは受け付けによって、トラウムの部屋へと押し込まれてしまった。




