リーダー就任
「あぁー、、、俺なの?」
ホルスの困惑した問いかけに対し、職員達は静かに頷いたのだった。
「俺かぁ、、、他にもっと良い奴が居るんじゃないのか?」
「いや!リーダーに相応しいのは、ホルスさんしか居ないですよ!」
「そうっすよ!今まで何度も先輩として俺達を先導してくれたじゃないっすか!」
「いや、、、入った時期が早かっただけで、俺より年上の獣人生の先輩はいっぱい居るだろ?」
「いや!俺達が求めてるのはホルス先輩のリーダーシップなんです!ホルス先輩がリーダーなら、俺達はどこまでもついて行きます!」
「そうですよ!」
どうやら、ホルスは同僚達から相当慕われているらしい。ホルス自身も、自分が皆から選ばれる理由があまり分かってはいなかったが、とりあえず皆が自分に従ってくれるという構想通りの展開になった事もあり、ホルスは渋々皆のリーダーになる事になったのだった。この時のホルスは、リーダーという役職を皆をまとめる為の仮の役職だと思っていたが、既にフィロスはリーダーとなったホルスに責任重大な役目を任そうとしていた。その何かを企む怪しげなフィロスの目つきにホルスは嫌な予感を感じていたが、今は皆に流され、リーダーという役職を受け入れる事となったのだった。その時、ホルスのリーダー就任に盛り上がるロビーに、一人のケンタウロスが入ってきたのだった。
「フィロスさん!国の奴らがもうすぐここに来ます!」
どうやら時間稼ぎの限界がきたらしい。しかし、職員の決死の時間稼ぎのおかげで、ケンタウロス族の職員達の心は既に国に対する反抗心で溢れていた。残る不安因子はハーピーの職員達、彼らを説得する時間はもはや無いが、フィロスはハーピー達がこちら側に就いてくれるという確かな自信があったのだった。
「ホルス、あとは僕達に任せて。君は見つからない場所に隠れるんだ」
フィロスの指示によってホルスは建物の奥へと向かって行ったのだった。それと同時に、職員が集まるロビーには獣人の国の調査官が到着したのだった。
「おやおや?皆さん勢揃いで、一体どうされたのですか?」
鼻につく口調で現れたのは、あの官僚の側近だった。側近はガタイのいい部下を十人程引き連れ、首からは権力の証である官僚職のネックレスをぶら下げ、力という力を職員達に見せびらかしていたのだった。




