信用と団結
ホルスとフィロスの二人が独立などについて話し合っていると、突然部屋の扉が叩かれ、外から慌てた様子の男の声が聞こえてきたのだった。
「フィロスさん緊急事態だ!今本部の前に国の奴らが来てて、今からガデニダリア本部の抜き打ち検査を行うってよ!」
「嘘だろ!もう来たのかよ!」
「、、、」
「おいフィロス、どうするんだ?今から隠れた方が良いか?、、、いや、隠れたとしても、俺の目撃情報は消えないよな、、、」
「、、、この状況、独立に必要なガデニダリアの団結力、そして君の影響力を試す絶好のチャンスだよ!君、僕が合図するまで国の奴らを外で足止めしておいてくれる?」
「ははっ!お任せを!」
フィロスの要望はかなり無茶であったが、それでもその職員は一切止まらずに、迷わず本部の入り口へと向かって行ったのだった。
「何をする気なんだ?」
「みんなに僕達を信じてもらうには、まずは僕達がみんなを信じないとね」
「まさか、、、もう言うのか!?」
「まぁね、これが一番手っ取り早いし、たった一局の職員達ですら従えさせられなかったら、ケンタウロス族の独立なんて夢のまた夢だよ」
「失敗したら、、、本当に捕まるぞ?」
「捕まったら、僕の構想は所詮幻だったってだけだよ。まぁ、お話をするのは良いけど、まずは大前提まで進めないとね。僕は東棟に行くから、君は西棟の職員達を集めてね、一人残さずだよ、そしたら一階のロビーに集合ね。」
「あぁ、分かった」
そう言い残し、二人は真逆の方向へと走り出して行った。ホルスはガデニダリアの仲間達を疑っている訳ではないが、流石に自分の今後に関わる作戦であった為、仲間達を信じるという運のような作戦にあまり乗り気ではなかった。さらに、本部に居るガデニダリアの職員の中にはケンタウロス族以外にも鳥人族のハーピーが含まれており、ケンタウロス族の町を創るという構想も部外者のハーピーにはどうでもいい話の為、ハーピーがケンタウロス族と獣人の国のどちらの味方になるかも不安でしかなかった。しかし、ホルスが無事に調査官の目から逃れるには、もはやこの作戦しか残っていなかった為、ホルスは今までの自身の行いやガデニダリアの仲間達を信じるしかなかった。そして、ホルスとフィロスの活躍で本部内の全職員がロビーに集まると、フィロスは皆の前へ堂々と歩み寄ったのだった




