ケンタウロス族の独立
魔道具でシーミアと側近の会話を聴き、もうすぐガデニダリア本部に調査官がやって来る事を知った二人は、一旦冷静になりながら解決策を模索し始めた。
「マズいな、早く動かないと俺達見つかっちまう」
「、、、」
「どうした?まだ諦めるには早いと思うが」
「いや、これからの先の事を考えてて、、、」
「おい!未来の事を考えるのが早すぎだ!まずは俺達の会談がバレないようにしなきゃならないだろ!」
「それは大丈夫なんだけど、、、まぁいっか、今は時間が無いし、単刀直入に僕の構想を話すよ」
「あぁ、なんだ?」
フィロスは一息ついた後、頭の中で想像する壮大な計画をホルスに話したのだった。
「ケンタウロス族を獣人の国から独立させようと思ってるんだ」
「独立、、、」
何百年も変わってこなかった獣人の国の情勢、それが大きく変化するであろう壮大な計画に、ホルスは今までに感じた事がない程の胸の高鳴りを感じていた。
「ガデニダリアで得た資金と信頼、そして社会的優位性があれば、こんなケンタウロス族を蔑ろにするような国から独立できて、僕達ケンタウロス第一の町を作れると思うんだ」
計画を語るフィロスの目には一切の曇りもなく、自身の構想する壮大な計画に絶対の信頼を置いているようだった。
「、、、その計画には俺も大いに賛成だ。だが、事情を知らない他の奴らがこの計画に乗ってくれるのか?」
「勿論無理だろうね。だから、まずは他のケンタウロス達にも獣人の国の真実を教え込まなきゃダメだね」
「そんな事出来るのか?この事がケンタウロスだけに留まらず他の獣人達にもバレたら、この計画はパーになっちまうぞ」
「大丈夫、アイツらはガデニダリアの内部事情なんて見てないから。ただ、勿論バレないように少しばかし小細工はするつもりだよ」
「ガデニダリアのケンタウロス達に内通者が居たらどうするんだ?」
「獣人の国の実体を公開したら、正義感の強いケンタウロス族はみんな賛同してくれるよ、今回の政策で国に鬱憤が溜まっているはずだしね。それに、他のケンタウロス族がみんな集まった町があるっていうのに、自分だけそこに居ないのはケンタウロスとしてのプライドが許さないだろうし」
「なるほどな、、、まぁ、賛同は得られるだろうな」
その頃、ガデニダリア本部の入り口には、既に調査官達の影が迫っていたのだった。




