新たな政策
ホルスがまだガデニダリアで働いていた頃、獣人の国内部では、国王や官僚達によって新たな政策が発令されたのだった。その政策はあっという間にガデニダリアで働くケンタウロス達の間に広まり、その話はとある町で休憩していたホルスも知る事となったのだった。
荷物を依頼主に届け終わったホルスは、いつも通り依頼達成の報酬を受け取りにガデニダリアの施設へと立ち寄っていた。しかし、今回渡された報酬は、いつもの報酬より数倍も少いものとなっていた。これはおかしいと思ったホルスは、受け付けの人間に事情を聞いたのだが、その人間からは信じられない返答が返ってきたのだった。
「ケンタウロス族の方は、獣人の国の新たな政策によって、報酬の80%を獣人の国に収める事となっております」
「はぁ!?」
ホルスは周りの人々が思わず振り向いてしまう程の大きな声を上げてしまった。
「あの、、、ホルスさん?大きな声は周りのお客様のご迷惑になってしまいます」
「あぁ、、、すまない、、、それより、報酬の70%を収めるって、一体どういう事だ、そんな事したら、俺達の生活費や持ち金が無くなっちまうじゃないか」
「私に言われましても、、、うーん、獣人の国のガデニダリア本部へ行ってみてはいかがでしょうか?そこなら何か情報があるかもしれませんよ」
「獣人の国か、、、そうだな、俺の知り合いに官僚の奴がいたし、ガデニダリアの本部に寄るついでにでも会いに行くか」
「なら!ついでに獣人の国へ向けたお荷物の依頼も受けてくれませんか?」
「、、、それが狙いだったんじゃないだろうな」
「いえいえ!ケンタウロスの皆さんは報酬が減って大変そうですし、これから依頼の取り合いになると思って、ホルスさんに依頼を優先して渡してあげただけですよ?」
「確かにな、、、これからは依頼も取り合いになるのか、、、というか、他のケンタウロス達はこれに納得してるのか?」
「勿論、不満たらたらですよ」
「そうか、、、はぁ、なんでこんな政策を出したんだよ国王は」
その後、ホルスは獣人の国へ向けた配達の依頼を三件程請負、それらの荷物と共に獣人の国を目指して行ったのだった。
国、街、町、村
魔法の世界に存在する集落を指す言葉で、規模や集落内の状況に応じて呼び名が変わる。
国、街、町は専用の領地を持ち、領地内の村を束ね、その代表としての役割もある。それらの領地は〇〇領のように代表の町の名前が使われる。
国
基本的に一つの町を指す言葉ではなく、複数の町が融合して出来た巨大な領地を指す言葉。(町などでは領土内の村の事を〇〇領の〇〇村と表記するが、獣人の国では村も国の一部の為、獣人の国北部や獣人の国中心部のように地域ごとで表記される)複数の規模が大きな町が融合している為、領地がとても広く、人口も多い。それに伴い、世界的な影響力も非常に強い。現在は獣人の国、魚人の国、鳥人の国、そして魔王軍(正式名称は魔人の国)の四つしか国が存在していない。
街
国とは違い、一つの集落の事を指し、その中でも特に大規模な集落が国と呼ばれる。スクアドラのように世界的な影響力が大きい場合がほとんどで、何かしらの観点で全ての町の頂点に立つ事が多い。国のように複数の種族から成っている訳ではないので、大規模ながら安定しているのが特徴。影響力の強さや規模の大きさは領土の広さには関係ない為、スクアドラのように強大な影響力や軍事力を持つにも関わらず、領土が非常に狭い場合もある。(強大な軍事力を使い、無理やり領土を広げようとした街も過去にはあった)
町
街より規模で劣っている集落を指す。影響力も控えめな場合が多いが、グリンティアやヴェルンド、フェアリウムのように特定の分野で大活躍している町も多い。グリンティアやヴェルンドのように軍事力を持つ町もあるが、フェアリウムのように戦いが苦手な種族の町は軍事力を持たない事もあり、それらの町は貿易や同盟などで町を守っている。街より規模は小さいが、領土は街より大きな場合があり、プリズン山脈のヴェルンドやエントモス熱帯林のフェアリウムのように、同じ地域内に他の領土を持てる町がいない場合は、その地域は全てその町の領土となる。
村
領土を持つには不十分な小さな集落を指す。基本的には自分達の集落の入った領土を持つ町に従っており、町から村の存続や治安を保障してもらう代わりに、村からは労働力や資源などを提供する事になっている。規模がある程度大きくなり、自分達の持つ領土などが決まれば町から独立する事も可能だが、従属先の町は独立をあまりよく思わない事がほとんどの為、基本的に領土は従属先の町との戦争によって取り合う事になる。その為、村は自ら独立しようとする事はせず、今の従属先との共生を選ぶ事がほとんど。旅の途中の休憩や夜を越す為に使用する宿は基本的に村の宿が多い。




