薄情者
「、、、」
しばらくの静寂の後、ホルスは悲しい素振りなどは一切見せずに、普段通りの声色で話し始めたのだった。
「まぁ、自業自得ってやつだな」
「えっ?」
想定外の反応を見せたホルスに、一同は驚きを隠せなかった。事前にこうなると聞かされていたラオトとウィンディも、まさかホルスがこんな回答をするとは思いもよらなかった為、周りの皆と同じような反応になっていた。
「な、何言ってるんだよ!自分の故郷が魔王軍に襲われてるんだぞ!」
「そ、そうだよ、ホルスは悲しくないの?」
「悲しいと言われれば、そりゃ生まれ育った場所が無くなるのは悲しいが、それよりも、俺的には獣人の国が崩壊して清々したな」
「清々した?どういう事だよ!」
「まぁ落ち着け、故郷が無くなったのは確かに悲しい。だがな、獣人の国に実際に住んで、そしてガデニダリアでも働いていた俺から言わせてみれば、今回の出来事は完全な自業自得だ」
「ど、どういう事だよ、、、ペドラもガデニダリアで働いていたよな、ペドラは獣人の国陥落についてどう思っているんだ?」
「、、、俺も、ホルス先輩と同じ考えだな」
「そうなのか、、、じゃあ、なんでか理由を教えてくれないか?」
「勿論だ、これを言わなきゃ、俺達がただの薄情者って思われそうだしな」
「そうだな、、、それじゃあまずは、ガデニダリアと獣人の国との関係からだな」
そうして、ホルスとペドラのケンタウロス二人はガデニダリアと獣人の国との関係や、両者の間に存在する問題、そして最近の獣人の国についてを、皆に詳しく話し始めたのだった。
ガデニダリアは獣人の国のケンタウロス、鳥人の国のハーピー、魚人の国の人魚の三種族で構成されたこの世界唯一の運送業であり、その中の一つであるケンタウロス族は、獣人の国を代表して鳥人の国や魚人の国との関係の架け橋となったり、ガデニダリアという権限を利用して獣人の国を世界的に優位な立場にしたりなど、今までありとあらゆる面で獣人の国を支えてきた、まさに獣人の国の大黒柱とも言える存在だったという。しかし、ケンタウロス族はあくまで獣人の国のほんの一種族に過ぎず、さらに運送や物持ちなどの雑用というイメージがガデニダリアにより染み付いてしまったせいで、獣人の国内部での扱いは、決して良いものではなかったという。しかし、それでもケンタウロス族は獣人の国に忠誠を示し、獣人の族の為に一生懸命に働き、獣人の国をより良くしようと頑張っていた。しかし、そんなケンタウロス族の動力源となっていた忠誠心も、とある出来事によって大きく変化する事となったのだった。




