点検
その後、ラオト達は高出力で動かしてしまった魔道具を点検する為、一度ロメウスのラボへと帰ったのだった。そして、ロメウスが魔道具を点検している間、残りの四人はラボの屋外で話し合いをしながらロメウスを待っていた。
「えぇ!?獣人の国が!?」
「あら?ラオト様から聞いていませんか?」
「うーん、俺達の仲間にケンタウロスがいて、いつ獣人の国の事を打ち明けて良いか分からなかったんだ」
「なるほど、自分達の故郷が陥落したなど、本人にはあまり言いたくありませんからね。ですが、仲間間の情報共有は大切ですよ」
「そうだよな、、、宿に戻ったらちゃんと言うか」
「それに、お仲間のケンタウロスはその話を聞いたところで、ラオト様の思うほど落ち込まないと思いますよ」
「え?そうなのか?」
「えぇ、詳しくは本人の口から聞くと良いでしょう」
「本当にそうなの?私も獣人の国が陥落したなんて聞いたらホルスは悲しむと思ったけど」
「そのホルスという方がお優しい方なのであれば多少は悲しみの感情を見せるかもしれませんが、今の獣人の国の情勢を見るに、ケンタウロスとしてならば悲しみの感情は見せないと思います」
「なんでそんな事が分かるの?」
「我々の町に古くから根付いた生存戦略を活用しただけですよ」
「どういう事?占いでもしたの?」
「いえ、魔法は使わず、妖精族特有の長寿の中で培ってきた人脈と知識で成り立つ生存戦略ですよ」
「ふーん」
「長寿と言っても、私は妖精族の中ではまだまだ若手なのですがね」
「若手ねぇ、どうせ数百歳とかなんでしょ?」
「秘密ですよ」
そんな事を話していると、ラボの中からロメウスが飛び出してきたのだった。
「てんけんおわったよ!」
「結果はどうだった?故障とか、、、しちゃってないよな?」
「うん!れっかしたぱーつもほぼなし!まだまだとべるよ!」
「ヒュー!流石は姉さんの魔道具!」
「凄いな、結構な速度が出てたのに」
「まぁね!」
「それじゃあ、今から飛行の練習を再開しても大丈夫か?」
「うん!いまもってくるね!」
その後、ラオトは点検の終わった魔道具を背負い、再び空へと舞い上がり、空を華麗に飛行して見せたのだった。




