脳内シミュレーション
ラオトはてっきり、模擬戦の時のウィンディのように勢いよく飛び上がるのかと思っていたが、想像よりもかなり緩やかに浮かび上がった事に、少しだけ拍子抜けしてしまった。それに加えて、魔道具に備え付けられた安定装置のおかげで初めての飛行にも関わらず、安定して浮遊する事ができ、気づいた時には起動前の恐怖心は少しも残っていなかった。
「ラオトおにいちゃん、ちょうしはどう?」
「あぁ、良い感じだ!流石はロメウスの魔道具だな!」
「よかった!それじゃあつぎはそのじょうたいでいどうしてみよっか!」
「どうすれば良いんだ?」
「そらにうかんでいるじぶんが、まえへといどうするこうけいをいめーじしてみて!」
「イメージ、、、イメージ、、、」
ラオトは頭の中で空に浮かぶ自分自身を作り出し、その自分をゆっくりと前へと動かした。すると、それに共鳴するように魔道具も動き出し、現実のラオトもゆっくりと前へと進んだのだった。
「おぉ!動いた!」
「すごい!こんなにコツをつかむのがはやいなんて!さすがはまほうつかいだね!」
「そういえば、魔力を体外に流したり、頭の中で未来の光景をイメージしたりするのは魔法を使う時と一緒なのか」
「そうなの!だからこうどやそくどのちょうせいはいめーじでおこなってね!」
「なるほど、、、ちなみになんだが、この魔道具はどこまでの速度に耐えられるんだ?」
「耐久面は大丈夫、速度はアンタがどれだけの速さを想像できるかによるかな」
「俺次第?俺がめちゃくちゃ速く動く光景を想像したら、本当にその通りになるのか?」
「さぁ?どうだろうね?気になるならやってみたら?」
「うーん、、、まぁ、試しにやってみるか」
ラオトは魔道具の限界を確かめる為、非常に速い速度でフェアリウム内の建物の周りを飛び回るイメージを作り出してみた。何回もフェアリウムの市街地を歩いていたらおかげで、ラオトはフェアリウム内の構造を鮮明に作り出す事ができたのだった。
「あっ、ちなみにだけど、想像しだいで本当にその速度が出ちゃうから、ちゃんと加減は考えて、、、あれ?」
ピメウスが忠告をしながら目を逸らした隙に、ラオトはどこにも居なくなってしまった。
「えっ!?どこ行った?」
「ラオトなら凄い速度で町の中心に行っちゃったよ」
「本当に!?ヤバい!」




