念願の朝
そして、ついにラオト念願の朝がやってきた。楽しみで眠りが浅かったのか、今日の起床一番乗りはホルスではなくラオトだった。ラオトは起きて早々にウィンディを起こすと、急いで身支度を整え、寝ぼけている様子のウィンディを急かしていたのだった。
「うーん、、、何?ラオト」
「今日はあれを取りに行く日だろ!早く行こうぜ!」
「えぇ、また私?」
「他のみんなは道を知らないだろ?俺もあんな複雑な道を教えれる自信ないし」
「はいはい、、、ちょっと待って」
ウィンディは眠い目を擦りながら身支度を整え、その後、寝ている三人を横目にラオトとウィンディは部屋を後にしたのだった。
宿から出ると、まだ早朝という事もあり、町中に人はほとんど居なかった。そんな夜とは違った静けさを放つフェアリウムを二人は進んで行ったのだった。
「、、、というか、みんなに何も言わないで来ちゃったけど、大丈夫かなぁ」
「そこは大丈夫だ、ちゃんとメモを残してきたからな」
「用意周到だね、、、そんなに楽しみなの?」
「そりゃ、これから妖精族みたいに自由に空を飛ぶ事ができるようになるんだから、楽しみに決まってるだろ!ウィンディも魔法で空を飛べた時は嬉しくなかったか?」
「それはそうだけど、、、」
「それに、その魔道具があれば誰かの介護無しで自由に動けるようになるしな」
「そうだね、それは良いね、、、けど、こんな時間にロメウスは起きてるのかなぁ」
「うーん、一応朝一でも良かったはずだけどな」
そんな事を話しながら進み続け、辺りが店の準備などで賑やかになり始めた頃、ラオト達はロメウスのラボへと辿り着いていたのだった。その景色を見て、ウィンディはとある事を思い出したのだった。
「ね、ねぇラオト、結局お化けの正体は聞けたの?」
「お化け、、、あぁ!そういえば聞くの忘れてた」
「えっ」
あまりの絶望によって固まってしまったウィンディを背後に、ラオトはラボの扉へと手をかけていた。
「今から聞いてくるから、もう少し待っていてくれ、それじゃ」
「えっ、ちょっ、ちょっと待って!」
ウィンディが悲痛な叫びを上げた頃には、既にラオトはラボの中へと入ってしまっていた。こうして、ただラオトを待っているだけだったはずの時間は、お化けを常に警戒しなくてはいけない、殺伐とした時間になってしまったのだった。




