本気のスティア
スティアが作られた人間達を警戒する中、アレスは余裕のある笑みを浮かべていた。
「フッ、流石の堕天使でも気づいたか、、、そうだ、この魔法は対象の戦闘技術を模倣した悪魔を作り出す事が出来るのだ!」
「、、、」
スティアは驚きを隠しているのか、はたまた別の理由があるのか分からないが、アレスの言葉に動じる様子は見せず、静かに目の前に居る二体の悪魔を睨みつけた。
そんな冷静なスティアに対し、観客席はアレスの言葉で大盛り上がりだった。
「技術を模倣!?そんな魔法あったっけ?」
「初めて聞いたな、それに、悪魔が悪魔を作るという情報も初めて聞いた、、、アレスにそんな事ができたとは」
「自作魔法なのか?後で色々と聞かなきゃだな!」
観客席が盛り上がる中、スティアとアレスの睨み合いは続いた。
「へぇ、結局は他人頼りって訳?いいわ、私は一人でアンタ達三人に勝ってみせるから」
「確かに少し戦闘技術は借りたが、元の魔法は我の技術によるものだ、悔しかったら堕天使も魔法を使ってみるといい」
「フン!じゃあ私も本気出しちゃうもんね!」
そう言うと、スティアは手を上に掲げた。すると、手の上に長細い形状に光が集まり始め、ついに一本の神々しい白い杖が出来上がったのだった。スティアはその杖を手に取ると、威勢良くポーズを決めたのだった。
「ジャーン!本気の私のお供、ポーちゃん登場!」
「ポーちゃん?なんだそのふざけた名前は?」
「別にいいでしょ!理由を聞きたいなら前世の私に聞いてね!」
「フン、堕天使の前世となる人間の事だ、どうせろくでもない理由なのだろう」
「うるさいなぁ、私はこの名前気に入ってるのに!」
「、、、それで?その杖を持ったからといって我に勝てるとでも思っているのか?」
「当たり前でしょ!私とポーちゃんのコンビは負けなしなんだから!」
「ほう、大層な自信だな、いいだろう、我も本気でいかせてもらう」
その瞬間、目の前に立っていたウィンディの悪魔が勢いよくスティアに斬りかかってきたのだった。
「さぁ、かかってきなさい!」
スティアはウィンディの悪魔の攻撃を杖でガードし、反撃として杖から直接光魔法をウィンディの悪魔に流し込んだ。危険を察知したウィンディの悪魔は即座に後ろに退き、スティアの隙を窺った。
「フン!ウィンディとサリディのコピーが居ようと、私達の敵ではない!」
ポーちゃん
スティアが本気を出す時に使う、光魔法によって生み出された杖。
この杖の形状は前世の記憶を頼りに作り出しており、名前も前世のものを使っている。しかし、この杖との出会いや思い出は思い出せずにおり、それゆえにイマイチ調子に乗れていない。ただ、その形状からスティアの前世の事がなんとなく分かり、側面に彫られた水滴のマークから前世は水魔法を使っていたのではないか、杖の先の部分にある三つの尖った部分が槍にも見える事からこれは杖ではないのかも、などの前世を辿る考察をスティアは一生懸命に考えている。




