依代
「、、、まさか、堕天使がこれほどまでに知的な行動を取れるとは、、、貴様、本当に堕天使か?」
「はぁ?私だってこれくらいの戦い方はできるに決まってるでしょ!私をなんだと思ってるの?」
「てっきり、知能がない魔獣か何かなのかと思っていたな」
「アンタは人の事馬鹿にしすぎなの!そろそろ私が有能って認めたら?」
「有能か、、、我に勝てたら認めてやってもいいだろう」
「え、本当に?」
「あぁ、だが、堕天使が我に勝つ事など不可能なのだがな!」
そう言うと、アレスは不適な笑みを浮かべながら指を鳴らした。すると、アレスの前に2つの禍々しいモヤが集まり始めた。そのモヤは次第にと人型へと姿を変えていき、ついに剣を持った2体の人間へと変化したのだった。その作られた人間達は仮面を着けており、表情は見えなかったが、まるで生気を感じられず、マネキンのようにその場に立ち尽くしていた。
「えぇ!?何それ!?」
初めて見る魔法を前に、スティアはとても驚いていた。そして、驚いていたのはスティアだけではなかった。
「なんだあの魔法、見たことないな」
「凄い!どんな魔法なんだろう」
「、、、」
ラオトら観客達も、アレスの使った魔法に対してとても興味を持っていた。しかし、そんな中ウィンディだけはその魔法に興奮できず、さらに冷や汗までかいていた。しかし、周りはアレスの魔法に夢中で、その事には気が付かなかった。
「フッフッフッ、技術の進歩というのは素晴らしいものだ、最近ではこのような魔法まで発明されているとはな!あの洞窟内の二百年がいかに無駄だったか、改めて思い知らされたな」
「、、、」
「どうした堕天使、驚きすぎて言葉も出ないか?」
「、、、フン、ただ人が増えただけじゃん!そんなんでイキがるなんて、ダサいよ!」
「ただ人が増えただけ、この魔法がそんなものだと思ったのか?これはただの依代、この魔法の真髄はここからなのだ」
その時、観客席の方で異変が起こったのだった。なんと、ウィンディとサリディの頭の中から、黒く発光する何かが出現したのだった。
「うわ!なんだこれ!」
「ちょ、おい!2人とも大丈夫か!」
「あぁ、俺は大丈夫だ、、、それより、、、」
「うん、なんだか、爽やかな気分、、、」
2つの発光する何かは騒がしい観客達の間を飛んでいき、ついにその何かはそれぞれ別の人間の中へと入っていったのだった。その瞬間、その人間の目には生気が宿り、手に持った剣をしっかりと構え始めた。そして、その人間の剣の構え方はスティアには見覚えのあるものだった。
「その構え方、、、」




