地図
ラオト達は、その後も本に書かれたブラキナの情報を確認し続けた。しかし、十災魔神であるブラキナに戦いを挑んだ者は少なく、そのせいか詳細な情報はあまり書かれていなかった。六つの剣を扱う事、高速で間合いを詰めてくる事、真剣勝負が好きな事などの基礎的な情報以外は、どれもあやふやな記載のものばかりで、実戦に生かすには信用が足りないものばかりだった。その為、ラオトはそれらの不確かな情報は憶えず、剣を扱い近接戦が得意という基礎の情報だけをしっかりと覚え、とにかく遠距離から魔法で攻撃するという立ち回りをする事を頭に入れたのだった。
「(近接戦が得意な相手には遠距離から、この相性戦、まさにジャンケンだな!)」
こうしてブラキナの対処法をしっかりと覚えたラオト、その事をパドラに伝えると、パドラはブラキナの事が書かれていた本をしまい、代わりに一枚の大きな紙を机の上いっぱいに広げたのだった。
「これは、、、」
「はい、エントモス熱帯林の地図でございます」
「えぇ!?」
そう言われ、ラオトはその紙をよく見てみると、確かに紙の色が濃い部分が前にヴェルンドで見たエントモス熱帯林全体の形と一致しており、さらによく見ると、中央の少し北東部分にゴマ粒ほどのサイズの印があり、その上に小さくフェアリウムと書かれていた。
「これがエントモス熱帯林の地図、、、フェアリウムがこんな小さいなんて!」
「えぇ、エントモス熱帯林は世界で2番目に大きな原生林ですからね。そして、ブラキナの城はここにございます」
そう言って、パドラはフェアリウムの南西を指差した。そこには魔王組の印がされており、その上にブラキナの城という言葉が刻まれていた。
「ここがブラキナの城、俺達の目的地か」
「はい、皆様にはフェアリウムを出発した後、こちらに向かって頂くこととなります」
「なるほど、、、あれ?そういえば、ブラキナの城には道順が分かる魔法とかは無いのか?キオンの城の時はその魔法で霧の中を進んで行ったんだけど」
「申し訳ございません、ブラキナの城に対する誘導魔法は無いのです」
「というか、無いのがフツーだからね?キオンの時はイージーモードって事」
「、、、キオンの城は、元々はヴェルンドの方々の建物ですので、魔王軍に奪われる前に魔法を作り出したのかと、、、すみません、詳細は分かりません」
「なるほど、、、まぁ、甘えんなって事だな。それに、冒険者たるもの、地図くらい読めなきゃやってけないもんな!」




