目撃情報
考えても分からない事は一度後回しにし、5人は早速目撃情報のある十災魔神5名の名前を確認した。十災魔神の半分という事で、知らない名前があるかもしれないと不安になっていたラオトだったが、そこに書かれていた名前は、どれも聞いた事のある名前ばかりだった。
「魔仮面ゼノ、毒血王ヴァン、粘液獣ドロト、漆黒の悪魔ノクス、それと、、、」
「守護狼キオン、、、」
獣人の国の戦場で目撃されたと言われている十災魔神の中には、ラオト達がプリズン山脈で撃退したキオンの名前が入っていたのだった。
「キオン?キオンはアンタ達が倒したんじゃないの?」
「ピメウス様!まさか勇者様を疑うのですか!?キオンが部下を連れて撤退する様子は、ちゃんと私も確認しましたぞ!」
「そ、そうだな、、、」
ラオトは嫌な予感を感じていた。あの時、ラオト達はキオンにまともなダメージを与えられずにおり、運良くラオトの拘束魔法でキオンが降伏したおかげでラオト達はキオンに勝つ事が出来たのだった。しかし、キオンに傷をつけられなかったというのは事実であり、体力を温存したまま降伏したのは、もしかしたらそのまま戦場に向かう為だったのかもしれない、もしそうなのであれば、あのまま無傷でキオンを解放してしまい、戦場に十災魔神を1人増やしてしまったのは自分達のせいという事になってしまう。そんな不安の感情で、ラオトは内心とても焦っていた。
ラオトが冷や汗をかきながら絶句している様子を察したシュミトは、急いで話題を他の事に逸らしたのだった。
「そ、そういえば、ノクスは一時期戦場から居なくなったと聞いたが、いつの間にか帰ってきておったのじゃな」
「そうですね、本拠地の城の位置もバラバラな5人が一斉に集結するとなると、かなり前から計画された作戦だったのでしょうね」
「そうじゃな、、、そして、案の定ブラキナの名は無いな」
「えぇ、やはり魔王軍はラオト様御一行を警戒してなさるのでしょう」
「魔王軍から警戒されるなんて!とても名誉な事でありますぞ!」
「城を落とすにはブラキナとの戦いは避けられないようじゃな、まぁ、あのキオンを倒したんじゃから、自信を持つんじゃよラオト」
「えぇ、それに、ブラキナには魔法攻撃がとても有効です。ラオト自身も魔法使いでありますし、お仲間には天使様と悪魔様もおりますようですので、ブラキナ相手にとても有利に戦える事でしょう」
「そっか、、、みんな、応援ありがとうな!」
ラオトは皆の応援のおかげで、強敵と戦うプレッシャーが和らいだような気がした。




