被害報告
シュデンが広げた紙を見てみると、そこにはシュデンが急いで書いたのであろう雑な文字が数段落分書かれていた。紙を広げたシュデンは、まず一行目に書かれた単語について解説を始めた。
「一行目は、他の種族の援軍が到着してからの被害状況です!皆様ご覧ください」
メモ用紙の一行目の文字に目を向けると、そこには摩訶不思議な被害状況が書かれていた。
「、、、死亡兵0?」
「負傷兵、重症兵はとても多くいらっしゃるのに、死亡兵は0と書かれてますね」
「その通り!獣人の国の指揮官殿によりますと、他の種族の援軍が到着してからというもの、戦闘による死亡兵が1人も出ていないとの事です!」
「どういう事だ?負傷した人達がいるから、敵意を無くしたという訳じゃなさそうだし、、、」
「原因は未だ不明との事。ただ、ある兵士の証言によると、戦っていた魔王軍から余裕や手加減を感じた、との話もあるそうですな」
「えぇ!?つまり、魔王軍はあえて死亡兵を出さないようにしているって事か!?」
「ふむ、、、その証言をした兵士の気のせいという可能性もあるが、もし本当に手加減しておったのなら、一体なぜなんじゃ?」
「援軍が来る前までは、このような事はありませんでしたね、なぜ急に手加減など始めたのでしょう」
「分からんのう、、、あの魔王のことじゃし、何か企んでおるのか?」
「でもさぁ、兵士を生かして返す事で、魔王軍は何か得をするの?」
「それが分からんのじゃ、、、まさか、魔王が世間体を気にしておるのか?」
「それはないでしょ!あの魔王軍が世間体を気にするなんて、天地がひっくり返ってもないね!」
「そうじゃな、今更世間体を気にしたところで、もう遅すぎるしのう」
皆が一通り話し終わった頃、次にシュデンはメモ用紙の2行目を指差し、そこに書かれた単語の解説を始めた。
「2行目は、目撃情報の上がっている十災魔神一覧ですぞ!戦場で目撃されたと言われている十災魔神は全部で5体!名前はここに書かれておりますぞ!」
「5体!?めっちゃ多いじゃないか!」
「十災魔神の半分が集まるとは!魔王軍は、なぜそんなに獣人の国相手に本気を出しているんじゃ?」
「長年の恨みを晴らしてるんじゃない?」
「うーん、どうでしょうか、魔王軍は獣人族と険悪な仲ではありましたが、今まで戦争は起こしてきませんでした。なのに、なぜ今となって突然本気で獣人の国を滅ぼそうとしているのか、、、」
分からない事だらけの情報に、5人は頭を悩ませていた。




