犬猿の仲
ラオト達4人はシュデンの帰りを待つ間、獣人の国陥落における影響や、今後どうしていくかなどの話し合いをしていた。
「そういえば、フェアリウムには獣人の国から連絡来てないよな」
「そうじゃな、というより、獣人の国はフェアリウムに連絡する気は無いと思うぞ」
「え?どうしてだ?」
「そりゃ、フェアリウムはエントモス熱帯林という危険地帯の奥地にあるからのう、獣人族の戦い慣れていない者達が、エントモス熱帯林を抜けてフェアリウムまで辿り着けるとは思えんしな」
「確かに、それもそうだな」
「何より、獣人族と妖精族はとても仲が悪いからのう、獣人族は妖精族に助けを乞うつもりはないし、妖精族も受け入れるつもりはないんじゃないか?」
シュミトの問いかけに対し、ピメウスは上機嫌な様子で返答した。
「シュミト爺さん大当たりー!僕は獣人族から連絡が来ても、一切助けてやらないもんね!」
「おい!流石に酷いぞ!」
「フン!昔獣人族にされた事に比べれば、こんな問題大した事ないもん!」
「それは、、、そうかもしれんが、町長として他の国の不幸を願うのは厳禁じゃぞ!今回はワシらだけだったから良かったものの、会議ではそのような事は言わないように」
「はいはーい」
ラオトは今の会話の中でシュミトが「それはそうかもしれない」と発言した事が気になっていた。あのシュミトがそんな事を言うという事は、獣人族は考古学者という中立の立場の人間でも擁護できない程の事件を起こしていたのかもしれない。獣人族の歴史は妖精族と接する上では必要不可欠と感じたラオトは、この会議が終わり次第、獣人族の歴史を詳しく調べる事を決心した。
しばらくの無言の時間が過ぎたの後、部屋の奥から一枚の紙を持ったシュデンが戻ってきたのだった。
「お待たせしました皆様!受け入れの報告ついでに、色々気になる事を聞いてきましたぞ!」
「おぉ!どんな事を聞いてきたんだ?」
「えぇー、兵士達の被害状況、現時点での受け入れ先一覧、目撃された十災魔神の情報などなどです!」
「おぉ!まさに俺達が気になってた事じゃん!」
「ええ!これ以外にも細々とした情報も聞き出してきましだぞ!」
「流石は偉大な町長の息子様ですね」
「いえいえ〜!」
シュデンは照れくさそうにしながら、手に持っているメモ用紙を、皆に見えるように机に広げたのだった。




