獣人の国 陥落
シュデンが発した衝撃の内容に、ラオトとシュミトは思わず立ち上がるほど取り乱した。しかし、そんな2人に対し、ピメウスとパドラの2人はすこし驚いた表情をしただけで、この事については特に何とも思っていないようだった。
「獣人の国が陥落って、どういう事だよ!?」
「今、獣人の国の外交官の方から連絡がありまして、獣人の国全域が魔王軍によって制圧されてしまったとの事です!」
「獣人の国全域じゃと!?あんな広大な土地をいつのまに、、、」
「フン!どーせ意気地無しの獣人の事だし、自分の故郷を捨てて、全員で逃げ出しちゃったんじゃないの?」
「おい!そんな言い方はないだろ!」
「、、、実は、ピメウス様の言う事は、少し当たっておりまして、、、」
「え?」
シュデンは獣人族の外交官から聞いた獣人の国陥落までの流れを、ざっくりとラオト達に話したのだった。
「、、、つまり、獣人族の兵士が魔王軍によって壊滅し、もう領土を守れなくなったから、色々な国や町に避難してるって事か」
「まさか、巨人族やエルフ達の援軍までやられるとは、、、」
「貧弱な獣人族の兵がやられるならまだしも、援軍に来た他の国や町の兵も負けるなんてね、一体どんな化け物が居るんだか」
「十災魔神が複数居たのは確実でしょうね」
「そのような事があり、今現在獣人の国があった箇所は、全域が魔王軍の支配地という事になっております」
「なるほど、、、それで、避難した人達は今どこに居るんだ?」
「現在は獣人の国から1番近く、規模も大きなスクアドラに避難しているとの事です」
「スクアドラ、、、メンターさんのところだな」
「なんと!メンター様とも知り合いなのですか!?」
「あぁ、一応な」
「凄まじい人望!流石です勇者様!」
「だが、スクアドラだけでは獣人族全員は受け入れられないじゃろ?他はどうするんじゃ?まさかとは思うが、、、」
「はい、、、先程の連絡は、ヴェルンドに獣人族の一部を受け入れてほしいとの連絡だったのです」
「やはりか、、、」
「全く!獣人族の身勝手は昔から変わらないね!」
「それは同感じゃな、、、それで、どれくらい受け入れれば良いんじゃ?」
「外交官の要望としては、ケンタウロス族と山岳地帯に住む獣人族を受け入れてほしいとの事ですぞ」
「そうか、、、ケンタウロス族はほとんどがガデニダリアに出稼ぎに出ておって数は少ないだろうし、山岳地帯の獣人族は、元々数が少ない筈じゃよな、、、まぁ、援軍を出さなかった分、それくらいは受け入れてやろう、ケンタウロス族にはホルスとの縁もあるしのう」
「承知しました!それでは早速連絡しますぞ!」
そう言うと、シュデンは急いで獣人族用の連絡魔水晶へと向かっていった。




