再開
それからしばらく経ち、ピメウスが机の上にあったお菓子を平らげた頃、目の前の黒く濁った魔水晶から聞き覚えのある声が聞こえてきたのだった。
「、、、ぇるかのう?」
「おっ!この声は!」
徐々にハッキリとする声と共に、魔水晶には見覚えのある2人の顔が映ったのだった。
「おぉ、繋がったようですぞ!」
「そうじゃな、パドラ、ちゃんと聞こえておるか?」
「はい、聞こえております」
「久しぶりだな!2人とも!」
ラオトは思わず身を乗り出して水晶に顔を写した。その顔は、どうやら無事にヴェルンドの2人にも見えているようで、ラオトの顔を見た2人は嬉しそうに返事をしたのだった。
「おぉ!ラオト!久しぶりじゃのう!」
「勇者様!お元気そうで何よりですぞ!」
「あぁ!みんなが用意してくれた物資のおかげで、俺達は無事にフェアリウムに着けたぞ!」
「流石じゃなラオト!」
「えぇ!流石は勇者様ですぞ!」
「、、、ところで、パドラから用事があると聞いて通信したんじゃが、その用事とはなんじゃ?」
「あぁ、それは、、、」
ラオトは隣に座るピメウスの方を向いたが、ピメウスはラオトから目を逸らすようにそっぽを向いてしまった。ラオトは(まだ諦めないのかよ!)とピメウスに呆れながらも、事の経緯をシュミト達に話したのだった。
「、、、なるほどのう、そう言う事じゃったのか」
「はい、ですので、シュミト様とシュデン様には、ピメウス様を納得させる為、ラオト様一行の武勇伝のようなものを話していただけないでしょうか」
「そうか、ピメウス、お主の頑固っぷりは相変わらずじゃのう」
「偽装対策をしっかりしてるって言って!!」
「偽装対策ですか、、、それなら、我々がラオト様と親しくしている事で、、、」
「うるさい!町長じゃないのは黙ってて!」
「ヒッ!」
「偽装対策なら、ワシらがラオトと親しく接しておる事で、、、」
「うるさい!町長も黙ってて!!」
「ヒィ!」
「ピメウス様?それでは誰も喋れなくなってしまいますよ?」
「うるさい!副町長も黙ってて!!」
「おい、それじゃあ話が進まないぞ?そろそろ認めたら、、、」
「うるさい!自称勇者は黙ってて!!」
「、、、(俺、自分で自分の事を勇者とは言ってないんだけどなぁ)」
その後、ピメウスが皆の発言を許すまでの数分間の間、別の階の音が聞こえそうな程の静けさが続いたのだった。




