ラオトの装備
トラウムから授かったこの装備一式が、まさかフェアリウムで作られていたとは、夢にも思わなかったラオト。しかし、今思うと、この町で作られている魔道具と、いま着用している装備一式は、使用した感覚やデザインなどが似ているような気がする事を、ラオトは既に感じていたのだった。これらの現象も、ただの気のせいではなく、この装備がフェアリウムで作られた物だからという事なら納得がいく為、ラオトはパドラの話を早めに飲み込む事ができたのだった。
「、、、確かに、この装備とこの町の魔道具は色々な共通点があったな、体の魔力の感じ方とか、変わったデザインとかな、だからこの装備がこの町で作られたというのは分かった、でも、なんでこの装備を着ていたらフェアリウムの民から忠誠を誓われるんだ?もしかして、この装備ってヤバい洗脳魔法でも入ってるんじゃ、、、」
「いいえ、洗脳魔法ではなく、昔の町長様同士の約束によって、私達はラオト様に忠誠を誓うのです」
「、、、余計分からなくなったな」
「、、、ラオト様、失礼を承知でお聞きしますが、その装備はどのような物なのかご存知でしょうか」
「うーん、トラウムさんから言われたのは、町に代々伝わる凄い装備、みたいな事くらいだったかな」
「、、、」
それを聞くと、パドラは困った表現で黙り込んでしまった。
「えっと、どうしたんですか?」
「いえ、なんでもございません、だだ、、、」
「ただ?」
「ラオト様、私が後程トラウム様と連絡を取る際に、一緒に御同行お願いできないでしょうか」
「えぇ!トラウムさんと!?良いんですか?」
「もちろんです、ただ、少しお見苦しい姿を見せるかもしれませんが、そこはご了承お願いします」
「お見苦しい姿?」
ラオトがふとパドラの顔を見てみると、その顔は出会った時と同じく笑顔だったが、瞳の奥は全く笑顔ではなかった。その瞳から溢れる感情が何かは分からなかったが、お見苦しい姿というのが長くなりそうという事はよく分かった。
「それでは行きましょう、ラオト様の装備に関しては、後程トラウムと一緒に説明致します」
「は、はい!(、、、今トラウムって言った?)」
その怒りの心境を燃料に、パドラの歩く速度はどんどんと上がっていった。それに遅れないよう、ラオトも小走りでパドラについて行ったのだった。




