副町長
ホルスはあちこちを飛んでいる妖精達に当たらないように、慎重に妖精族エリアを進んで行った。そして、ラオトに言われた通りの旗が目印の大きな建物の前で、ラオトをそっと地面に下ろした。
「ありがとうなホルス、多分ここだ」
「お安い御用さ、それより、、、俺はどこで待っていれば良いんだ?」
「どう言う事だ?」
「ここは妖精族エリアのど真ん中だからな、俺がここに突っ立ってたら邪魔じゃないか?」
「それもそうだな、、、ならホルスは一旦みんなの所に戻って、2時間後とかにここに来てくれないか?」
「え、良いのか?俺が来る前に話が終わったらどうするんだ?」
「そん時は適当に時間を潰してるよ」
「そうか、、、じゃあ俺は帰るぞ、また後でな」
「あぁ、じゃあな」
妖精にぶつからないように不自然な歩き方で去っていくホルスを見送ったラオトは、目の前の妖精族サイズの扉を開け、巨大な大木ような建物の中へと入って行った。
妖精族の町なのだから当たり前なのだが、建物内の家具や装飾などは全て妖精族用のサイズになっており、それらは妖精族と同じ大きさになってしまったラオトにとってもピッタリな大きさだった。ちゃんと膝をついて座れる椅子、ちゃんと手で持てるコップ、ちゃんと立ちながら利用できるカウンターなど、今の体に合ったサイズの道具達に、ラオトは少し感動を覚えていた。そんな事を考えながら椅子に座っていると、ラオトの目の前に1人の妖精族がやってきた。
「こんにちは、あなたが町長のお客様ですね?」
ラオトが顔を上げると、そこには信じられないほどの美貌を誇る、美しい妖精が立っていた。
「あっはい」
「初めまして、私は副町長を務めているパドラと申します、以後お見知りおきを」
「あ、俺はラオトです、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします、ラオト様」
パドラの美しさに緊張したのか、それともパドラの丁寧な話し方に流されたのか分からないが、ラオトはいつもは使わない敬語を自然と使っていた。
「それではラオト様、町長様のいらっしゃる最上階へと向かいましょう」
そう言うとパドラは美しい透き通った羽をラオトに向け、建物の奥へと歩いていった。それに遅れないように、ラオトも急いで椅子から立ち上がり、パドラの後ろをついて行った。
パドラ
好きな物 香りの良い物 政治 フェアリウム
嫌いな物 甘すぎるもの ピメウスの後始末
職業 フェアリウムの副町長
使用属性 草
見た目通りの大人びた仕草が特徴的なフェアリウムの副町長。やる気のない町長の代わりに普段から様々な仕事をこなしており、町の発展や貿易、さらには外交などの難しい業務なども担当している、まさにフェアリウムの核となる人物で、パドラが居なければフェアリウムは今程の影響力を持てていなかったと言われている。
フェアリウムの町長の血を引く分家に生まれ、一応町長やロメウスとは親戚という事になっている。
普段の品のある振る舞いとは裏腹に、本人は意外と武闘派であり、障害物や面倒な事などは知恵でどうにかするのではなく力で解決するという。




