天使悪魔対談
「、、、!」
スティアが宿の屋上で物思いに耽っていると、背後から誰かの気配を感じ取った。このよく知っている気持ち悪い気配を発するのは、仲間達の中で1人しか居なかった。
「、、、こんな所で考え事か?」
「、、、チッ」
舌打ちをしながら後ろを振り返ると、そこにはやはりアレスが立っていた。
「、、、何?なんか用?」
「堕天使が1人で物思いに耽っているなんて、珍しいではないか、我の懲らしめが余程堪えたようだな」
「いや?ただ寝付けなかったから、フェアリウムの景色を見てただけだけど?」
「フン、そういう事にしておいてやろう、それにしても、ここは中々眺めが良いな」
「はぁ、、、私だけの特等席だったのに」
それからしばらくの間、スティアとアレスはフェアリウムの夜景を眺めていた。
「、、、堕天使よ、さっきの独り言で、アンゲロスと言っていたな」
「うわ、盗み聞き!?アンタ最低!」
「なんとでも言うといい、それより、堕天使はアンゲロスに居た時の思い出などはあるのか?」
「思い出?当たり前じゃん!」
「ほう、例えばどんなものだ?」
「例えば、、、友達と一緒に悪魔達をボコボコにしたり?」
「堕天使が?我ら悪魔をボコボコにしただと?」
「あったり前でしょ!悪魔とかいう憎しみに囚われた哀れな種族に、正義の天使族が負ける訳がないの!」
「能天気で頭の悪い天使族が、偉大なる悪魔族に勝てるとは到底思えないがな」
「ふん!そういう自信過剰で傲慢な所が天使より劣ってるんだよ!」
それからしばらくの間、スティアとアレスはいつものように口論をしていた。そして、ようやく侮辱のネタが尽きた頃、今度はスティアからアレスに質問を投げかけた。
「そういうアンタは悪魔の国で何してたの?というか、悪魔の国って何かあるの?」
「、、、堕天使は悪魔の国をなんだと思ってるんだ?」
「え?暑くて暗いだけの洞窟でしょ?」
「、、、言っておくが、天使の国よりは栄えているのだぞ、天使どもより我々悪魔の方が技術力で優っているからな」
「へぇー、そんな自称天才達がわざわざ行き来しずらい地下に住み着くなんて、私達には考え付かなかったよ」
「フン、地下が利便性が悪いだけの場所だと思っているようなら、堕天使はまだまだだな」
「地下に良い所なんてある?おまけに火山の影響で暑いし」
「悪魔の国ディアボロスの近くにはノクスより強いとされる最強の十災魔神エンネアの城がある、我々はいつかそこを目指して悪魔の国を訪れるだろう、その時に悪魔の国がなぜ地下にあるのか教えてやる」
「へぇー、興味ないからそん時には忘れちゃいそう」
「それでも良いぞ、我の教える手間が省けるからな」
それから2人はしばらくフェアリウムの光景を眺めた後、部屋に戻って眠りに入ったのだった。




