トラウマ
アレスによる「懲らしめ」が終わった後、ラオトとウィンディも混ざって、みんなでジャンケンを楽しんだ。しかし、皆徐々に眠気に襲われていき、だんだんとジャンケンも盛り上がらなくなってきてしまった。そこで、ジャンケンの続きは明日にして今日は寝よう、という考えで今日は解散する事にした。サリディ達は自分達の部屋へと帰って行き、そして部屋に残されたラオト達も、辺りが静かになった事で眠気が増していき、皆倒れるように寝込んでしまった、懲らしめられた1人を除いて。
「、、、スタスタ」
皆がベットでぐっすりと眠る中、スティアは1人で宿の屋上へと来ていた。
「、、、はぁ」
スティアは静まり返ったフェアリウムの風景を眺めながら、なにか昔のことを思い出していたようだった。
「、、、全く、あのバカ悪魔め、なんで私の嫌な記憶を思い出させちゃう訳?おかげで眠れなくなっちゃったじゃん」
スティアは柵を力強く握りしめ、アレスに対する愚痴を次々と吐き出していた。
「はぁ、アイツそんなに負けるのが悔しいの?それもそっか、私より格下ってバレないように必死なんだろうね、あー、哀れ哀れ」
スティアは自分の方がアレスより格上と、自分に必死に言い聞かせていた。それからしばらくして、スティアは暗闇のせいで、まるで空に浮かんでいるように見える魔水晶を見ながら、とある場所の事を思い出していた。
「はぁ、、、アンゲロス、今どうなってるんだろう」
アンゲロス、それは雲をも突き抜ける程の巨大な山、その頂上付近に存在する天使の国。スティアは、そんな天使の国にあまり良い思いがないようだ、いや、良い思い出は沢山ある、しかし、それを遥かに上回る程の嫌な思い出があるせいで、スティアはアンゲロスの事をよく思っていないようだ。
「、、、みんな、まだ生きてるのかな、天使は死んだらもう会えないけど、、、でも!天使が死ぬ時は、ほとんどが自分の心残りを解消できた時だから!死んだとしたらみんな安らかに死ねたよね!」
スティアは過去の友人達を思い出してみたが、その友人達の事を考えるたびに嫌な記憶も同時に思い出してしまい、結局友人達の鮮明な思い出は思い出す事ができなかった。
「、、、」
それからしばらくの間、スティアはフェアリウムの光景を眺めながら心を落ち着かせ続けた。




