深夜のジャンケン大会
夜の宿は静まり返っている、、、のが普通のはずなのだが、ラオト達が泊まる宿は夜でも非常に賑やかだった。ラオトとウィンディが宿に入ってすぐに、どこからかサリディ達の賑やかな声が聞こえ始めた。その声は店主しか居ない静かなホールにもよく響き渡っていた。
「まだジャンケンしてるのか?今何時だと思ってるんだよ」
「今は9時、、、みんな元気だね」
「本当だよな、みんな疲れてるはずなのに」
そんな事を話していると、カウンターの奥から店主がフラフラとラオト達に近づいてきた。
「お客様、、、」
「あっ」
ラオトとウィンディは店主と目があった途端、即座に深々と頭を下げた。
「うちの仲間がすみません!」
「ごめんなさい!部屋に戻ったらちゃんと注意しときます!」
ラオトとウィンディは店主に精一杯の謝罪をした。しかし、店主から返ってきた言葉は意外なものだった。
「お客様!あなた達ジャンケン強すぎますよ!」
「、、、え?」
「いやー、私も皆さんのジャンケンに参加したんですが、ことごとくやられちゃいましたね」
「、、、参加した?」
「はい、楽しませてもらいましたよ」
「そう、、、ですか」
「今日は皆様以外のお客様は居ないので、精一杯はしゃいじゃって大丈夫ですからね!それでは!」
そう言うと、店主は元居たカウンターへと戻っていった。
「迷惑、、、じゃなかったのか?」
「そうみたいだね、、、なら私達も楽しもう!」
「そうだな」
ウィンディとラオトはジャンケンが終わってしまわないように、急いで自分達の部屋へと向かって行った。部屋のドアを開けると、そこは熱気に包まれたジャンケン大会の会場となっていた。
「さぁ!いよいよ決勝戦!勝つのは百戦無敗を誇るアレス選手か!それとも対悪魔用の心理術を身につけたサリディ選手か!」
「サリディ!特訓の成果を見せてやれ!」
「アレス!頑張れ!」
「イカサマアレス負けろー!」
「アレス、アンタの無敗伝説もここまでだ!」
「フン、我こそが最強という事を、存分に思い知らせてやろう!」
「それでは行くよー!」
アレスとサリディは各々決めポーズをとりながら、決着の時に備えた。
「ジャン!!!」
「ケン!!!」
「ポン!!!」
会場に居る全員の掛け声と共に、アレスとサリディは手を前に突き出した。




