妥協
深刻な表情で設計図を見つめるラオト、その表情からどんな物が設計図に描かれているのか気になった町長は、ラオトから設計図を強引に奪い取り、設計図に描かれている魔道具をじっくりと見つめ始めた。
「ふーん、どれどれ?」
一通り設計図を見た町長だったが、ラオトがなぜあのような表情をしたのかが一切分からなかった。
「、、、アンタ、なんでそんな表現してる訳?凄い良い出来じゃん」
「そ、そうなんだが、、、」
「何?姉さんの作品にケチ付けようっての?」
「違う!そう言う事じゃない!」
「じゃあなんでそんな表現するの?」
「、、、」
ラオトは必死に弁解の言葉を考えた、しかし、魔道具の理想と現実の違いのショックが邪魔し、中々良い言葉が思いつかず、その間もどんどんと町長に壁際に追い詰められていった。
「姉さんの作品に文句あるわけぇ?」
「、、、」
「なぁ、はよ答えんかい!」
「、、、あ、ありません」
「それでよろしい!」
町長の威圧にやられたという訳ではないが、いつまでも理想と現実の違いを1人で引きずって皆に迷惑をかけるのは申し訳ないと思ったラオトは、理想の憧れを捨て、現実的なこの魔道具を使って行く事にしたのだった。
「(この魔道具も一応空は飛べるはずなんだし、見た目は使って行くうちに愛着が持てるかもしれないしな、そこは我慢か、、、)」
ラオトは町長から設計図を取り返すと、それをロメウスに渡した。
「ありがとうロメウス、この魔道具気に入ったよ、早速作って欲しいんだけど、どのくらい掛かりそうか?」
「だいちきゅうつくってふつか!」
「2日か、それじゃあ頼むぞロメウス」
「まかちて!さっそくじゅんびしてくる!」
そう言うと、ロメウスは設計図を手にしっかりと持ちながら、下の階へと帰っていった。
「2日か、、、まぁこの町を観光して時間を潰すか」
「観光?そんな事してる暇はない!アンタには明日、この町の中央木に来てもらうからね!」
「中央木?なんだそれ?」
「この町の管理をしている施設、あと僕の職場」
「え?なんでそんなとこに行かなきゃならないんだ?」
「そりゃ、プリズン山脈の件を確かめる為でしょ」
「いや、魔法陣で真実って事が分かっただろ!」
「まぁ念の為、それに、アンタにとってもあの爺さんと話せるのは良いと思わない?」
「まぁ、、、それはな?」
「よし決まり!それじゃあ明日絶対に来てね!それと、中央木は小人しか入れないから、アンタだけで来てね!それじゃ!」
そう言うと、町長はラボの奥へと飛んでいってしまった。そして、この部屋にはラオトが1人取り残されてしまった。
「、、、えっと、帰っていいのか?」




