町長の誤解
ロメウスが居なくなり、町長と2人きりになってしまったラオトは、折角なので色々な分からない事を町長に聞いてみる事にしたのだった。
「なぁ、アンタはこの町の町長なんだよな?」
「そうだけど何か?」
「なんで町長が指名手配されてるんだよ」
「いやぁ、、、なんでだろうねぇ?」
「自分じゃ分からないのか?」
「心当たりがありすぎて、どれで指名手配されたのか分かんないや」
「、、、そうか、でも一応町長なんだろ?町長らしい仕事とかはしてないのか?」
「してるよ、面倒くさいけど、、、」
「指名手配犯が町長の仕事をしてるって、、、フェアリウムの住民達はそれで良いのか?」
「さぁ?今のところ追い出されてないし、僕でも別に良いんじゃない?」
「でも防具屋の店主はアンタを見つけたらすぐに捕まえてって言ってたぞ?」
「あぁ、それは僕が開催したかくれんぼ大会だよ、僕を見つけて捕まえたら特別な魔道具が貰えるんだ」
「え!?捕まえるって指名手配犯として捕まえるんじゃなくて、単にアンタをそういう遊びで捕まえるって事だったのか!?」
「そうそう、みんな乗り気だったよ、けどねぇ、誰も僕のこと見つけてくれないんだもん」
「ふーん」
「誰も見つけてくれないで暇だったから、アンタを小人化させてアンタ達をかくれんぼ大会に巻き込んだって訳!」
「ふーん、、、いや!フェアリウムと関係ない冒険者を勝手に巻き込むなよ!おかげでこっちは予定が凄く遅れたんだぞ!」
「アンタ達の予定?どうせ魔道具を買いに来ただけでしょ?ならその小さな体の方がいろんな店に回れて便利じゃない?」
「俺達がエントモス熱帯林にやってきたのは、十災魔神のブラキナを討伐するためなんだぞ」
「、、、ぷっ」
町長はラオトの真剣な表情と不可能に近い目的のギャップに、笑わずにはいられなかった。
「ぷははははは!!ブラキナの討伐?無理無理!」
「そんな笑うなよ!」
「いやぁ、だってブラキナ討伐とかいう不可能な事をそんな真剣な顔で話されたら笑うしかないでしょ!」
「、、、やっぱり強いんだな」
「強いって、そもそも十災魔神に挑もうってのがおかしいよ」
「そんなの分かってるけど、、、」
「もしキオンを倒したっていうイカれた冒険者達に憧れてるなら尚更やめた方が良いよ、あの冒険者は運が良かっただけだし」
「あー、それ俺達の事なんだけど、、、」
「確かにアンタの仲間には天使と悪魔が居るけど、それでも力不足、、、、、うん?」
「えっと、どうしたんだ?」
「、、、アンタ今なんて言った?」
「それ俺達の事?」
「何が?」
「キオンを倒した冒険者」
「、、、」
町長もサリディ達のようにラオトの顔を見ながらフリーズしてしまった。やはりラオト達がキオンを倒したという事実は、他の者からは信じられないようだ。




