可愛さの暴力
「やっぱそうだと思った、私がこんな所に隠れてるなんて分かるはずないし」
「本当だよ!俺もロメウスに案内されないとこんな町外れの場所には来なかっただろうしな、それより、一応かくれんぼには勝ったんだし、俺の体を元に戻してくれないか?」
「えぇ?それじゃあ姉さんが今作ってる魔道具はどうするの?使わないで処分?」
「そ、それは、、、」
「、、、しく」
「あっ」
横から啜り泣く声が聞こえたラオトは、恐る恐る隣に立つロメウスの顔を覗き込んだ。そこにいたロメウスは、目から数粒の涙を流し、非常に悲しげな表情でラオトを見つめていた。
「ラオトおにいちゃん、、、あたちのつくったまどうぐはいらないの、、、」
「いや、そういう訳じゃ、、、」
「あーあ、幼い子を泣かせちゃった、この人でなし」
「ぐっ、お前、、、」
ラオトはスティアに難癖をつけられるアレスの気持ちがとても良く分かった気がした。
「ラオトおにいちゃん、、、」
「、、、」
ラオトはロメウスを無視して町長に体を元に戻してもらった方が早いし便利という事は分かっていた、しかし、幼いロメウスを泣かせてしまう事は、ラオトにはできなかった。
「、、、分かった、折角ロメウスが作ってくれるんだし、俺はロメウスの魔道具を使うよ」
その言葉を聞いたロメウスは、涙を拭き取り、満面の笑みをラオトに向けた。
「ありがとうラオトおにいちゃん!わたちがんばるね!」
ラオトはロメウスの笑みが見られただけでも、この選択をして良かったと思えるほど、ロメウスの笑みは素晴らしいものだった。そんなロメウスの笑みに心を打たれたのはラオトだけではなかった。
「ひぃぃぃぃ!可愛すぎるよ姉さん!」
町長は非常に興奮した様子でロメウスの顔を眺めていた。
「それじゃあ、わたちはせっけいのつづきをやってくるから、ふたりはまっててね!」
そう言うと、ロメウスはラボの下の階へと帰っていった。
「、、、」
「、、、」
ロメウスが居なくなり、ラオトと町長のみになってしまったこの部屋には、非常に気まずい空気が流れていた。
「、、、おい」
「、、、何?」
「、、、アンタの姉、可愛すぎないか?」
「、、、でしょ?」




