不法侵入
「それじゃあせっけいずをかくね!」
ロメウスはガラクタの山からメモ用紙とは比較にならないサイズの大きな紙を取り出し、そこに身を乗り出しながらラオトの要望である人工の羽の設計図を描き始めた。
「うーん、こうがいいかなぁ、いや!こっちのほうがよさそう!ここにはこれをつかって、あっちはあれにちよう!」
まずロメウスは自分の脳内で思いついた案や構造を紙に書き出し、人工の羽のなんとなくのイメージを書き出すところから始めた。可愛らしい悩む声を上げながら、必死に紙にイメージを描いていくロメウスの姿に、ラオトは強く心を打たれたのだった。
「(こんな小さな子が俺の要望だけで一から物を作っていくなんて、、、これが本物の天才ってやつなんだろうな。俺にもこんな発想力があれば、、、)」
ラオトがそんな事を考えていたその時、非常に小さな音であったが、ラオトは誰かの足跡が聞こえたような気がした。
「足音?ロメウス、他に誰か居るのか?」
「こっちはこうして、、、ここはこう!」
ロメウスは設計図の作成に夢中になっており、ラオトの声も誰かの足音も聞こえていない様子だった。その正体不明の足跡が気になったラオトは、恐る恐るラボの内部を探索する事にした。
「ロメウス、ちょっと行ってくるぞ」
「はねはあれをつかえばかんべき!」
ラオトはロメウスに声をかけたのち、手に杖をしっかりと握りしめ、謎の足跡の正体を解明すべくラボの中を進んで行った。
「足音がしたのはかなり上の方だったよな、、、」
ラボの中がかなり静かだった事もあり、ラオトは足音がどこから聞こえたのかがなんとなく分かっていた。その記憶を頼りに、ラオトはラボのさらに上へと向かっていった。
「、、、音がする」
ラボの上へと登っていくにつれ、明らかに何者かが行動している音が聞こえ始め、ラオトも足音を出さぬよう、より一層慎重に階段を登るようにしていった。そして、おそらくラボの最上階だと思われるフロアへと辿り着いたラオトは、音のする方向へと慎重に進んで行った。そして、音のする方向に明らかな人影を確認したラオトは、意を決して人影の前へと飛び出したのだった。
「誰だ!ここに何の用だ!」
「うわぁぁ!!ビックリした!!」
「、、、え?」
「、、、あ」
なんと、ラボの内部に侵入し物音を立てていたのは、町の入り口で出会った、あのお尋ね者の町長だった。




