魔道具職人
誰も居なくなり暇だったラオトは、店に置かれた魔道具達を見るなどして時間を潰した。
「(確かに、この町で売られている魔道具はどれも普通の魔道具とは違う独特な雰囲気を放ってるな、これらを作ってる職人さんなら、本当に俺の要望通りの道具を作ってくれるかもしれないな!)」
そんなことを考えてると、店の外から大きな足音が近づいてくるのが分かった、どうやらウィンディと店主が帰ってきたようだ。ラオトは見ていた品を元に戻し、店の入り口の扉を開けると、そこには上機嫌な様子の店主と、少し疲れた様子のウィンディが待っていた。
「お客様、お待たせしました、用事は終わりましたよ」
「あぁ、どこ行ってたんだ?」
「私みたいなか弱いか弱い妖精にあの量の荷物はキツすぎますからね、荷物の運搬を少し手伝ってもらいました」
「はぁ、はぁ、荷物を運ぶのは良いけど、木を登るのは聞いてないよぉ」
「おかげで助かりました!約束通り魔道具職人に合わせてあげましょう!」
そう言うと、店主は店の奥から黄金に輝く透き通った液体の入った瓶を持ってきた。そして、その瓶の蓋を開けた瞬間、外にいるウィンディにも分かるほどの強烈な甘い匂いが辺りに漂い始めた。
「うわっ、何だこの匂い!」
「これで魔道具職人を呼べるんです、彼女は甘い物が好きなので!(本当は私が舐めたいくらいなんですけどね)」
「そ、そうか、早く来てくれると良いんだが」
「まぁ、来るのを待ちましょう」
甘いを通り越し、もはや臭くも感じるその匂いに耐え続けていると、なんと、いきなり天上が抜け、それと同時に子供の妖精が落ちてきたのだった。
「な、なんだ!?」
「あまいにおいはここか!」
降ってきた子供の妖精は、荒れた店内やラオトには目もくれずに、真っ先に店主の元へと近寄った。
「リコス!あまいのちょうだい!」
「、、、あのねぇ、いっつも店を壊さないでって言ってるでしょ!修理大変なんだよ!」
「あまいの!あまいの!」
「聞いてないし、、、」
店主が子供の妖精に持っていた瓶を渡すと、子供の妖精は大はしゃぎで瓶の中の液体をチュパチュパと舐め始めた。
「あまい!ロメウスまんぞく!」
瓶の液体を飲み干し、天上の穴から出て行こうとする子供の妖精を、店主が必死に食い止めた。
「ちょっと待って!ロメちゃんにお願いしたい事があるの!」
「おねがい?」
天上の穴からゆっくりと降りてくる子供の妖精の姿は、天上から漏れた光も相待って、まるで天から降臨した天使のような神秘さと可愛らしさを兼ね備えていた。




