人間族エリア
「まぁ、あの町長妖精が見つからなかったらブラキナ討伐を2週間先延ばしにするってだけだ、あんま気にしないで行こうぜ」
「そうそう!その間は私達と遊ぼ!こっちついて来て!」
複雑な町の中をスラスラと進んでいくサリディ達について行くと、先程までの妖精サイズの建物よりも遥かに大きい、人間族サイズの建物が数件建てられた場所へとやって来た。
「おぉ!人間族サイズの建物だ!」
「ここは人間族や獣人族の冒険者用のエリアだよ!あそこが宿で、あっちがお土産屋さん!」
「俺達と遊ぶのに荷物は邪魔だからな、宿に置いてきな!」
「おう!待ってるぜ!」
ラオト達は宿の前でサリディ達と別れ、5人で宿へと入って行ったのだった。
宿の中はフェアリウムの植物や魔水晶の装飾が加えられているだけで、それ以外は何の変哲もないただの宿になっていた。しかし、よく見ると店主が居るはずのカウンターには誰もいないようだった。
「あれ、留守?」
「、、、こんにちはぁ」
「留守って、そんな事あるのか?」
「、、、あのぉ」
「うーん、あんまりないけど、今居ないじゃん」
「、、、居ますよぉ」
「そうだな、、、帰って来るのを待つか」
「ちょっと!!」
耳に響くかなり大きな声と共に、1人の妖精がどこからともなく現れ、ウィンディ達の前へとやって来た。
「ピッタリした!居るなら言ってよ!」
「さっきから何回も言ってたでしょ!」
「え?聞こえなかったな、それより、今どこから現れたんだ?」
「どこって、そりゃ店主なんだからカウンターでしょ」
「え?さっき見たけど居なかったじゃないか」
「それは私の体が隠れてるだけです!、、、それより、5名様ですね?」
急に態度がガラッと変わった店主妖精に、ラオト達は少し引いていた。
「あ、あぁ、そうだ」
「はーい、少々お待ちくださいね」
妖精は小さな体を器用に動かし、人間族サイズの魔道具を操作した。その速度は人間族の店主にも匹敵する程だった。
「はい!3階です!ごゆっくりー!」
「お、おう」
ラオト達は不気味に思えるほどニコニコした店主妖精に見送られながら、3階を目指して階段を上がっていった。店主妖精から受け取った鍵を使い、自分達の部屋に入ると、そこに置かれた家具達はちゃんと人間族サイズとなっていた。これならウィンディ達はいつも通り快適に過ごす事ができそうだった。しかし、この人間族サイズの建物は、今のラオトにとっては大きすぎるものだった。腰を掛けるための椅子、飲み物を飲むためのコップ、ベットに至ってはまるでふかふかなサッカーコートかと思うほどに広々としていた。
「広い、、、」




