悪名高い町長
店員からあの妖精の情報を手に入れたラオトは、ついでにもらった町長の手配書と共に店の外に出たのだった。
「おーい!ウィンディ!」
「あっ、戻ってきた」
ウィンディはラオトの目の前に手を伸ばし、そっとラオトを持ち上げ、そのまま肩に乗せたのだった。
「うーん、俺、少しこの体の不便な所に気がついた気がする」
「どんなの?」
「この町、今の俺にサイズはピッタリなんだけど、俺は羽を持ってないから、移動とか店の出入りとかが不便なんだよな」
「確かに、、、この町の建物って飛べる妖精族用に作られてるから、私の手に乗らないと建物に入れないもんね」
妖精族の建物は地面にそのまま建てられる事はほとんどなく、基本的に木の枝の上や葉っぱの上、または花の上などに建てられおり、その位置は人間族にとっては手の届くほどの距離ではあるが、小人の体であるラオトにとっては遥か上空に感じられていた。さらに、ラオトは体が小さいだけで羽はないので、せっかく店に入れる小さな体にも関わらず、誰かの補助がないと店に入る事ができなかった。
「なるほど、、、その体も意外と不便なんだな」
「不便だし、この体のままじゃブラキナと戦う戦力にもなれなさそうだな」
「そうか、ならやっぱりあの妖精を探すか?」
「でも手がかりがないし、、、」
「あっそういえば、さっきの店の店員から、あの妖精の情報を聞けたんだ」
ラオトは手配書を皆に見せながら、店員から聞いた情報を皆に話した。
「あー!あの妖精がこの町の町長だったんだ!」
「なるほど、、、噂通りの性格だったな」
「店員も言ってたんだけど、やっぱりあの妖精は有名人なんだな、悪い意味で」
「そうそう、いつもイタズラばっかりしてて、町長の仕事はサボってばかりなんだってね」
「俺もその事は知ってるんだが、まさか自分の町の人々から指名手配されてたなんてな」
「うーん、それってマズくない?」
「マズいって何が?他の人から情報を聞けるかもしれないし、私達にとっては好都合じゃない?」
「、、、本当に言ってるのか堕天使?」
スティアの考えを聞いたアレスは、その浅はかな考えに呆れながら、今の状況を冷静に話だした。
「指名手配され続けるという事は、今まで誰もあの妖精を捕まえられていないという事だ、つまりだな、我々がまたあの妖精に会うには、あちらから出てきてもらうしかないという事になるな」
「そう!私もそう思う!」
「あー、、、そういう考え方もあるね」
「堕天使よ、素直に「私はそんな事も考えつかないバカ堕天使です!」とでも言ったらどうだ?ハハッ!」
「くっ、、、」
アレスは勝ち誇った満面の笑みでスティアをニヤニヤと見つめ続けた。それに耐えかねたスティアは、またいつものようにアレスとの言い争いになってしまった。




