便利な体
フェアリウムはエントモス熱帯林の奥にあるという事もあり、基本的に冒険者や観光客の往来が非常に少ない、そのため、この町の建物もごく一部を除いて全て妖精族用のサイズで作られており、その大きさは人間族にとっては小さすぎるものだった。しかし、その小ささは、今の小さくなったラオトにはまさにピッタリだった。
「なんて書いてある?」
「あそこはレストランだな」
「へぇ、じゃあこっちは?」
「あっちは、、、」
通常の大きさのウィンディ達にとっては読み取れない程の小さな文字も、妖精族サイズになったラオトにはバッチリと読み取れたのだった。他にも、サリディ達には小さすぎる店の入り口も、今のラオトにとってはちょうどいいサイズの入り口になっており、店の中に入れないサリディ達の代わりにラオトが店の中を見てきたり、中にいる店員の妖精に話を聞いたりなどと、ラオトは今の小人サイズを活かして、妖精族用の町を不便なく利用する事ができたのだった。そして、ラオトが妖精の店員と話をしていると、その店員から気になる話を聞き出す事に成功したのだった。
「こんにちは、、、あれ?よく見たら、妖精族じゃなくて小人族のお客さんじゃないですか!」
「あー、俺は小人族じゃなくて人間族なんだが、訳あってこんな姿になっちゃったんだ」
「え?どういうことですか?」
「町に入ったら変な妖精に絡まれてな、俺の失言でそいつを怒らせたら、こんな体にさせられちゃったんだ」
「なんと、、、もしかして、その妖精はこのような顔ではなかったですか?」
そう言うと、店員は棚から紙とペンを取り出し、紙にラオトのよく知るあの顔を描き出したのだった。
「あっ!そうそうこの妖精!なんで知ってるんだ?」
「そりゃ、この町の町長兼お尋ね者ですからね」
「えぇ!?」
あの妖精が町長という事にも驚きだが、その後に続いた町長とは無縁な肩書きの方が、ラオトには衝撃だった。
「町長がお尋ね者ってどういう事だよ!」
「あれ?知らないんですか?他の町の町長達の中でもかなりの問題児のはずですが、、、」
「あー、それは俺が無知なだけだな、、、まぁ分かった、この顔はこの町の町長って事だな!」
「はい!見つけたら捕まえてくださいね!」
「分かった、、、教えてくれてありがとな!」




