妖精の怒り
恐ろしい顔でジリジリと迫り来る妖精に、ラオトは後退りするしかなかった。また、他のメンバー達も妖精の圧にやられ、ラオトから離れた位置でラオトの行方をじっと見守る事しかできなかった。そんな7人に、ラオトは必死に助けを求める視線を飛ばしたが、皆自分には関係ないと言わんばかりに目を逸らすばかりだった。そんな中でも妖精はジリジリとラオトに迫ってきており、ついにラオトは町の堺まで追い詰められてしまった。
「ほ、本当に知らなかったんだ!だから許して?お願い」
ラオトは最終手段として、スティアがいつもやっている「可哀想な顔をして相手の同情を引き出そう作戦」を実行した。ラオトは目を精一杯ウルウルさせ、スティアがいつもやっているおねだりのポーズを取って見せた。しかし、ラオトの渾身の作戦は妖精には通用しなかった。
「そんなキモい顔をしたって無駄だね!食らえ!妖精族必殺のパーンチ!」
妖精は眩しいほどに光り輝く拳を、ラオト目掛けて思い切り突き出した。
「うわぁぁぁぁ!!」
ラオトが妖精のパンチに当たった瞬間、ラオトの体は眩い光に包まれた。
「ラ、ラオトォォ!!」
遠くからラオトの様子を見ているだけだったサリディ達も、目の前で起きた異様な光景を目にして、ようやくラオトと妖精の方へと近づいてきた。
「ちょっと!ラオトに何したの!」
「まぁまぁ、見てのお楽しみだって!」
妖精が指を鳴らすと、ラオトを覆っていた眩い光が消えた。しかし、そこにラオトの姿はなかった。
「え!ラオトが居ない!?」
「おい!ラオトをどこにやったんだ!」
「あの人には、僕達の気持ちを理解してもらおうと思ってね!」
「え?どういう事?」
その時、ウィンディ達はどこからかラオトの声が聞こえるような気がした。
「え?ラオトの声が聞こえる?」
「、、、本当だな、一体どこから?」
「、、、足元だ!」
「足元?」
音に敏感なホルスとペトラの2人が指差す箇所を確認してみると、そこにはなんと変わり果てた姿のラオトが立っていたのだった。
「えぇ!?ラオト!?」
「ラオトちっさ!」
そこに立っていたラオトは、なんと体が妖精族と同じくらいにまで小さくなっていた。
「どういう事!?なんでラオトはこんなに小さくなってるの!?」
ウィンディ達が小さくなったラオトを囲んでいると、妖精が得意げに話し始めた。
「フッフッフッ、これこそが我が妖精族に伝わる伝統魔法、小人化魔法だ!」




