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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
エントモス熱帯林

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119/196

ジャンケンの宿敵

虫から逃げ続けたラオト達にも、いよいよ体力の限界が迫っていた。徐々に減速していくラオト達に、虫が追いつこうとしたその時、突然ラオト達と虫との間に燃え盛る炎の壁が出現した。急に現れた炎の壁にパニックになった虫達は、ラオト達を追いかけるのを止め、散り散りになってどこかに消えていってしまった。

「え、炎?ホルスなんかしたか?」

「いや、俺はなんもしてないぞ」

「それじゃあこの炎はなんだ?」

「おーい!ラオトー!」

ラオト達が突然現れた炎に困惑していると、どこからともなく聞き覚えのある元気な声が聞こえてきた。

「あ!この声は!」

ラオト達が声のした方向を見ていると、奥の茂みから見覚えのある3人の冒険者が現れた。

「よっ!久しぶりだな!それじゃあ、、、」

3人組の先頭に立っていた剣士が手を腰にまわし、身体を大きく捻りながら構えの姿勢を取り始めた。それを見たラオトも剣士に続き、身体を大きく捻りながら構えの姿勢を取った。

「ジャン!ケン!ポン!」

剣士の掛け声と共に、二人は捻った身体を大げさに戻しながら、手を勢いよく前に突き出した。

「、、、俺の負けだ」

「よっしゃぁ!俺の勝ち!」

この戦いは、グー対チョキでラオトが勝利した。

「クソー!リベンジならずか!」

「ドンマイドンマイ!あとは私達に任せて!」

ジャンケンを続けようとする冒険者達を、ウィンディが急いで止めに入った。

「ちょちょ、ちょっと待って!ジャンケンするのは良いんだけど、もうちょっと安全な所でやらない?」

「それもそうだね!真剣勝負に水を差されるのは嫌だし!」

「おっしゃ!そんじゃ移動するか!」

「移動?どこに行くんだ?」

「決まってるだろ、この森唯一の安全地帯、フェアリウムだ」

「フェアリウム!やった!私行きたかったんだよね」

「それならちょうどいい!付いてきな、俺達が案内してやるぜ」

「うん!私達フェアリウムからここまで来たから、道は覚えてるよ!」

「そうなのか!なら案内頼む」

「任せな」

火が燃え移っていない事を確認したラオト達は、新たに加わった3人の知り合いと共に森を進み始めた。


この3人は誰なのかというと、獣人の国付近でアレスとスティアの二人がどちらの方が優秀かを決める為に様々な物事で対決していた頃、その中の一つの種目である宿で開催されたジャンケン大会に、偶然巻き込まれてしまった3人組の冒険者、剣士のサリディ、サリディの妹で魔法使いのハルティ、ケンタウロスのペトラなのであった。

「助かったよ、あの魔法はハルティのか?」

「そうだよ!前に会った時から、魔法もジャンケンももっと強くなったんだから!」

「そうだぜ!あれから俺達は戦闘の技術とジャンケンの技術を鍛えまくったんだ!」

「戦闘の技術は分かるけど、ジャンケンの技術を鍛えてたの?」

「そうだとも!ジャンケンの技術を鍛え上げた今の我輩達は、まさに無敵なのだ!」

「ふふ!今の私達なら、ジャンケンで誰にも負ける気がしないね!」

「、、、でもさっきサリディ負けてなかったか?」

「あ」

「あ」

「あ」

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