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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
エントモス熱帯林

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118/194

追いかけっこ

スティアが放った光魔法は辺りを強烈な光で包み込むと共に、スティアの背中にくっついている物体を跡形もなく消し去った。

「どうだ!思い知ったか害虫め!」

「バ、バカか堕天使、、、」

「め、目がぁ、、、」

スティアの魔法にやられたのは、背中の物体だけではなかった。スティアが辺りを見回すと、急な光に対応できなかった四人が、目を押さえながら項垂れていた。

「あ、あれ?みんなごめん!」

「いや、いいんだ、それより、、、」

「あぁ、早くこの場から移動するぞ!」

「え?」

スティアが理由を聞く前に、ラオト達4人は全速力で走り始めた。

「えっ?アイツ倒しちゃマズい生き物だった?もう!ウィンディが早く言わないから、、、あ」

スティアがふと辺りを見回すと、付近の茂みや木々の間から、無数の虫がこちらを見ている事に気がついた。それと同時に、ウィンディは先程使った光魔法の魔力が自分に付着し、体が微かに発光している事にも気がついた。

「あっ、、、ど、ども」

「キシャァァァァ!!」

「ぎゃあああああ!!」

咆哮と共に突進してきた虫の大群を、間一髪で回避したスティアは、そのまま虫の大群に背を向け、ラオト達の4倍近い速度で走り始めた。しかし、スティアを狙う虫の大群はスタートこそ遅れたものの、スティアより少し速い速度でスティアを追いかけ続けた。後ろから「カサカサ」や「ブーン」という音が聞こえたスティアは、更にスピードを上げて走り続けた。

「やめてぇぇぇ!!来ないでぇぇぇ!!」

スティアは走りながら背後の虫に攻撃を仕掛けたが、それでは意味がない程の量の虫がスティアの背後には集まっていた。

その後も走り続けたスティアは、ついに先に逃げていたラオト達4人にまで追いついていた。ラオト達も全速力で走っていたらしく、息を荒くしながらその場で休憩していた。しかし、4人はスティアが全速力でこちらに向かって来ている事に気がつくと、とてつもなく嫌な予感を感じた。

「堕天使、なんだか楽しそうではないか!」

「スティア、、、まるで何かに追われてるみたい」

「あぁ、そしてスティアの後ろに何かいるな」

「、、、逃げるぞ!」

ラオト達4人や騒ぎを聞きつけた虫も加わり、この虫との追いかけっこは随分と大所帯となっていた。そんな追いかけっこの様子を、遠くから眺める三つの人影があった。

「ねぇ、あれって、、、」

「あぁ!間違いねぇ!」

「よっしゃぁ!リベンジのチャンスだ!」

速報です、今日午後1時頃、エントモス熱帯林のある場所にて光魔法が使用され、付近にいた虫が凶暴化したほか、辺りにいた4人が目の痛みを訴えるという事件が起きました。この事件の引き金となる出来事を起こした容疑者Wは「こうなるとは思わなかった、私はSをからかうだけのつもりだった」と容疑を認めている一方、実際に光魔法を使用したと見られる容疑者Sは、「今回の事は正当防衛だし!私は悪くない!」と容疑は認めるものの、正当防衛だとして無実を訴えています。今回の件について、専門家のAさんによると、「Sは正当防衛を主張しているようだが、今回の件は明らかに正当防衛の域を超えているな、さらに、自身を守る為に周りの者の事も考えずに魔法を使うなど、これは有罪で確定だ!いや死刑だ!」と今回の事件を重く考えているそうです。以上ニュースでした。お次はHさんによる「戦い方のコツを学ぼう」のコーナーです。

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