プリズン山脈からの下山
ヴェルンドを出発したラオト達は、順調にプリズン山脈を下山していた。
「昨日まではヴェルンドを拠点に活動していたけど、明日からまたこうやって宿を転々とする生活に戻るのかぁ」
「そうだね、同じとこに留まるのも良いけど、やっぱり冒険者なら色々なところを転々として、色んな景色を見ながら冒険したいよねー」
「それもそうだな、エントモス熱帯林かぁ、一体どんな所なんだろう、、、」
ラオトの楽観的な予想とは裏腹に、スティアはエントモス熱帯林という単語を聞くたびに、体を身震いさせていた。
「エントモス熱帯林、、、やだなぁ」
「そんなに嫌なのか?虫がいるだけだろ?」
「ラオトはあそこのヤバさが分かってないよ!」
「うーん例えるなら、、、ラオトはグリーフ大森林をどう思う?」
「あぁ、程よく日光が差し込む、昼寝に最適な場所って感じだったな」
「それの日光がなくなって、常に虫のカサカサ音が聞こえていて、おまけに蒸し暑いのがエントモス熱帯林だよ」
「、、、地獄か?」
「まぁ、平和で心地いいグリーフ大森林とは比べ物にならないくらいに、、、」
「なるほど、、、俺も行きたくない」
「この先もっと過酷な環境にも遭遇する事になるんだから、エントモス熱帯林で精神を鍛えておくのは良いと思うぞ」
「心が鍛えられるよりも先に、カサカサ音で狂わないか心配だな」
「まぁ、エントモス熱帯林は悪い事しかないわけじゃ無い、あそこの奥地には妖精族の町があってな、そこでしか買えない魔道具達は、どれも非常に高品質で実用的らしい」
「そう!妖精族の作る魔道具って凄いんだよ!昔一回見た事があるけど、そこらで売っている魔道具より、効果がとても高いの!」
「へぇ、なら俺も何個か買ってみたいな」
「その町はブラキナの城へ行く道中にあるから、絶対に寄っていこ!」
「そうだな!」
エントモス熱帯林について話し合いながら下山する事数日、あたりに広がっていた岩や絶壁はどんどんと消えていき、それと同時に段々と木々や芝生が増え始めていた。そして、ついにラオト達はプリズン山脈を下山し終えたのだった。
「懐かしの草原、暖かい空気、、、ついにプリズン山脈から抜けたんだな」
「ラオト、あそこ見て!」
ウィンディの指差す方向を見ると、グリーフ大森林のような優しい雰囲気とは全く違う、暗くて恐ろしい雰囲気を放つ森林が広がっていた。
「あそこがエントモス熱帯林か、、、不気味な感じだな」
「あそこの中は凄い危険だから、みんな気を引き締めて行こう!」




